哲学サークル2022年度活動報告

活動内容: 2008年「市民学びの会」が設立されて以来、「人生の真理を明らかにしよう」と東洋思想、西洋思想、現代政治とそれらの歴史を中心に学習に励んできました。
コロナ禍では2年ほど休会し、通信のみの連絡となりましたが2022年7月より活動を再開しました。7月はウクライナ紛争下「民主主義の危機」について討議を行いました。

9月はユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」を中心に人類の営為と環境問題。
10月は西洋思想からロック・ルソーの自然権の思想と歴史考察に基づく民主主義の討議。並びに東洋思想である老子の思想について講義と討議を行いました。
明けて1月はトマスホッブスの「リヴァイアサン」の講義と戦争をなくすべき議題の討議。

メンバーは8名です。各自が自由に興味ある話題を提供し運営しています。

哲学サークル代表 西脇

名古屋市指定無形文化財 催馬楽「桜人」

アユチ雅楽会代表 渡邊良永

「市民学びの会」名古屋市指定無形文化財 催馬楽「桜人」
やっとかめ文化祭
名古屋市指定無形文化財催馬楽「桜人」
連携協定集結記念イベント

指定の経緯と催馬楽桜人保存会

催馬楽は雅楽の一種である。「桜人」は、名古屋市内の地名(作良郷/現在の名古屋市南区桜台・桜本町・元桜田・霞町あたり)が歌詞に登場する催馬楽の一曲である。「桜人」は、平安期に盛んに歌唱・演奏され、室町期に廃絶したが、昭和三十一年(一九五六)に名古屋で復興された。羽塚堅子(名古屋市中区魚山寺開山/中部日本雅楽連盟)と平出久雄(雅楽研究家/長野県佐久市在住)が中心となり復興作業が行われた。
「桜人」は、名古屋市指定無形文化財となっており、保持団体は「催馬楽桜人保存会」である。保存会の運営母体は、復興時には中部日本雅楽連盟(真宗大谷派・東本願寺系の雅楽団体)であったが、その後、雅音会(天理教系の雅楽団体)に移行し、現在に至っている。
「桜人」は、名古屋の民謡が宮廷社会の中で大陸伝来の音楽の様式で編曲され、主に平安京で歌唱・演奏された催馬楽である。平安期から名古屋で伝承されてきた曲ではないことには、注意が必要である。

普及・伝承のための新たな取り組み

現在、催馬楽桜人保存会では、名古屋市立大学の阪井芳貴教授が顧問として指導する学生サークル「名古屋市博物館サポーターMAR0」と市民学びの会「アユチ雅楽会」との連携により、普及・伝承のための取り組みを行っている。具体的には、保存会の演奏に学生と市民が歌唱で参加するコラボレーションである。この取り組みは、保存会と阪井教授の合意のもと、平成二十八年(二〇一六)よりスタートした。
三団体によって行われた主なコラボレーションは、次のとおりである。
◎平成二十八年(二〇一六)十一月六日 やっとかめ文化祭 まちなか寺子屋 講座「初めての雅楽」〈会場/名古屋市博物館〉

◎平成二十九年(二〇一七)十月二十一日 第六三回名古屋まつり 郷土芸能祭〈会場/オアシス21〉
◎平成三十年(二〇一八)十月二十日 第六四回名古屋まつり 郷土芸能祭〈会場/オアシス21〉
◎平成三十年(二〇一八)十一月四日 地域伝統芸能全国大会〈会場/日本特殊陶業市民会館〉
◎令和元年(二〇一九)十月十九日 第六五回名古屋まつり 郷土芸能祭〈会場/オアシス21〉
◎令和二年(二〇二〇)十二月二十三日 名古屋市立大学×名古屋市文化振興事業団 連携協定締結記念イベント~withコロナ時代の劇場と地域文化~〈会場/瑞穂文化小劇場〉

◎令和四年(二〇二二)十月十五日 第六八回名古屋まつり 郷土芸能祭〈会場/オアシス21〉

催馬楽「桜人」の歌詞

「桜人」の歌詞は、一段が夫の言葉、二段が妻の言葉という、男女の唱和体(問答歌)になっている。

一段の歌詞/夫の言葉
桜人 その舟止め 島つ田を 十町つくれる
(さくらびと そのふねちぢめ しまつだを とまちつくれる)
見て帰り来むや そよや 明日帰り来む そよや
(みてかえりこむや そよや あすかえりこむ そよや)
二段の歌詞/妻の言葉
言をこそ 明日とも言はめ 彼方に 妻去る夫は
(ことをこそ あすともいはめ をちかたに つまさるせなは)
明日も真来じや そよや さ明日も真来じや そよや
(あすもさねこじや そよや さあすもさねこじや そよや)

名古屋で民謡として歌われていた頃は、「桜人」の桜は地名の作良郷(松巨島/現在の笠寺台地にある)であり、「桜人」は「作良郷に居住する人(船頭)」という意味であった。
名古屋の民謡が宮廷社会に採り入れられ、平安期に平安京で宮廷歌謡(催馬楽)として歌唱・演奏されるようになってからは、「桜人」の桜は花木の桜であり、「桜人」は「桜を見る人、桜を愛でる人」、更には「花人、美人、麗人」(女性への最大級の賛辞)という意味に変化していった。
名古屋の民謡としての歌詞解釈は次のとおりである。

一段の歌詞解釈/夫の言葉
作良郷の船頭さん、その舟に乗せてくれ(を止めてくれ/を進めてくれ)
わたし(夫)は島(松巨島/現在の笠寺台地)の田を十町ほど作っている
その田を見まわって帰って来るよ ソヨヤ
明日には帰って来るよ ソヨヤ
二段の歌詞解釈/妻の言葉
あなたは言葉(口先)でこそ、明日と言うのでしょう
遠方に、わたし(妻)から去って向こうに行くあなた(夫)
明日も本当は来ないでしょう、ソヨヤ
明日(明後日)も本当は来ないでしょう、ソヨヤ

平安京の宮廷歌謡(催馬楽)としての歌詞解釈は次のとおりである。

一段の歌詞解釈/夫の言葉
麗しい人よ(と女性を想って歌い、そして船頭に声を掛ける)
その舟に乗せてくれ(を止めてくれ/を進めてくれ)
わたし(夫)は島の田(海辺の田)を十町ほど作っている
その田を見まわって帰って来るよ ソヨヤ
明日には帰って来るよ ソヨヤ
二段の歌詞解釈/妻の言葉
あなたは言葉(口先)でこそ、明日と言うのでしょう
向こう方にも、他の妻がいるあなた(夫)
明日も本当は来ないでしょう、ソヨヤ
明日(明後日)も本当は来ないでしょう、ソヨヤ

「桜人」は、名古屋の民謡としての歌詞解釈、平安京の宮廷歌謡(催馬楽)としての歌詞解釈に関わらず、収穫に先立つ夫婦の問答歌という縁起の良さを持っている。「桜人」の歌唱・演奏には、五穀豊穣と子孫繁栄の予祝としての意味合いもあったと考えられる。

(1)羽塚堅子『桜人考』(魚山寺、一九七五)
(2)平井久雄『山井景昭氏雅楽蔵書目録』東洋音楽研究第九~一三号(一九五一~五四)
(3)蒲生美津子『林謙三先生と平出久雄先生のこと』東洋音楽研究第四八号(一九八三)
(4)伊藤嘉宏『星の笏拍子』(一九九五)
(5)藤原茂樹『催馬楽研究』(笠間書院、二〇一一)
(6)新編日本古典文学全集『神楽歌・催馬楽・梁塵秘抄・閑吟集』(小学館、二〇〇〇)
(7)木村紀子『東洋文庫七五〇 催馬楽』(平凡社、二〇〇六)
(8)佐佐木信綱監修・賀茂百樹増訂『増訂 賀茂真淵全集 巻十』(吉川弘文館、一九三〇)
(9)武田祐吉『岩波文庫 神楽歌・催馬楽』(岩波書店、一九三五)
(10)現代用語の基礎知識編集部『日本のたしなみ帖 桜』(二〇一五)
(11)角川日本地名大辞典『愛知県』(角川書店、一九八九)
(12)日本歴史地名大系『愛知県の地名』(平凡社、一九八一)
(13)日本地名大辞典『第四巻』(日本図書センター、一九九六)
(14)吉田東伍『増補 大日本地名辞書 第五巻 北国・東国』(冨山房、一九〇二)
(15)吉田茂樹『日本地名語源事典』(新人物往来社、一九八一)
(16)佐伯有清『新撰姓氏録の研究 考證編 第二』(吉川弘文館、一九八二)
(17)中根洋治『愛知の地名 海進・災害地名から金属地名まで』(風媒社、二〇一二)
(18)片山鍾一『七千年の生活の歴史が残る 松巨島』(二〇〇二)
(19)新修名古屋市史編集委員会『新修 名古屋市史 第八巻 自然編』(一九九七)
(20)名古屋市南区役所『南区誌 区制七十年の歩み』(一九七九)
(21)名古屋市見晴台考古資料館『研究紀要第五号』(二〇〇三)
(22)名古屋市見晴台考古資料館『特別展 なごやの遺跡~笠寺台地』(二〇〇二)
(23)名古屋市見晴台考古資料館『見晴台遺跡ガイドブック(第2版)』(二〇一五)
(24)楢崎彰一編『東海考古の旅 東西文化の接点』(毎日新聞社、一九八九)

「西洋史研究会」活動報告 

2021年度「西洋史研究会」活動報告

2018年4月に発足した当研究会は、毎月第3水曜日に例会を持っている。
会の進め方は、毎月の担当者がテキストの担当個所を朗読し、そのあと話し合う。
テキストは、ギボンの『ローマ帝国衰亡史』に始まり、マキャベリ『君主論』を経て、2021年4月からは、ビアードの『ローマ帝国史SPQR』を読んでいる。

なお、2020年6月からは、新型コロナの蔓延のため、オンラインで開催している。
会員は現在15名であるが、オンラインへの参加者は8名程度である。2021年6月に新規加入1名、12月に退会1名があった。
2022年1月に、顧問の先生が、松本佐保先生から山本明代先生に交代した。
また2022年1月から対面式例会を再開の予定だったが、コロナ事情で再開を延期した。

(日野一彦)

「大衆社会論研究会」活動報告

2021年度「大衆社会論研究会」活動報告

大衆社会論研究会はオンライン研究会を2020年5月に立ち上げた。メンバーは村井忠政(ホスト)の他、黒川伸也、藤井洋一郎、川瀬智弘、牧真吾である。月1回の例会では、各会員が順番に報告担当者を務め、レジュメをもとに報告、その後全員による討論という形式をとっている。

これまでに使用したテキストは、オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(ちくま学芸文庫)、F・パッペンハイム『近代人の疎外』(岩波新書)、宇野重規『保守主義とは何か――反フランス革命から現代日本まで』(中公新書)である。2022年1月からはE・H・カー『歴史とは何か』(岩波新書)に取りかかる予定である。(文責:村井忠政)

「太平洋戦争開戦80年-開戦直前一ヶ月の日米関係を探る-」 報告

「市民学びの会」主催・オンライン市民講座  2021年12月5日開催
「太平洋戦争開戦80年-開戦直前一ヶ月の日米関係を探る-」 講師 門池啓史

 コロナ禍が2年近く続き、「市民学びの会」では、各サークルにおいて主にオンラインで開催してきた。各サークルでは毎回決まった会員が集まって、数名から十数名で開催されているが、戦争サークル(講座)だけは一般市民向けに、その都度会員を募り開催している。毎回20名以上の参加者があるが、主に中高年者であり、オンライン開催はハードルが高いと思われ、コロナ禍以降開催は行ってこなかった。
 しかし、オンライン講座の参加は決して難しくはなく、あの太平洋戦争が勃発してちょうど八十年となることもあり、去る12月5日に思い切ってオンラインで戦争講座を開催することになった。約40名の方の参加となったが大きなトラブルは発生しなかった。

 日本の歴史上で最も大きな出来事であったと思われる太平洋戦争だが、なぜ三百十万人もの日本人の死者、アジア全体では一千万人をも越えるといわれる死者を出した大惨禍が起こってしまったのか。その原因、背景に関しては知られているようであまり知られていないことも多々あり、今回は開戦直前の日米関係をテーマに中心に開催した。

 戦前、日本政府や軍部では誰もアメリカと戦争してまともに勝てると確信した者はいなかったと思われたため、開戦直前の日米間では何度も話し合いは持たれたが、日本、アメリカ、中国、イギリス、ドイツ、他各国の思惑が複雑に絡み合い、結果として開戦となってしまった。講座ではその開戦直前の日米間の、息詰まるような緊張した日々を説明させて頂いた。あまり知られていない事実も提示し、受講者の皆様には開戦までの日米関係を再考して頂けたならば幸いである。それは、現在未来の世界平和への大きな道筋となると確信するからである。

(ZOOM リモート発信)録画を公開しています。

以下URLをクリックしてご覧ください。
http://hum-ncu.com/record/20211205kado.mp4

2021年度「市民学びの会」の活動報告

「市民学びの会」の活動 理事代表 山下善久
2020年2月よりコロナ禍のため長期間教室の使用が不能になり、ZOOM活用のオンライン活動になりました。しかし、高齢者のなかでスマートフォンやパソコンに馴染みのないひとはZOOM対応ができませんでした。

元来パソコンにより毎月の教材をデータ配信していた「英字新聞を読む会」のメンバー13名のほとんどがZOOM参加による活動が可能でした。「西洋史研究会」8名、「大衆社会論研究会」6名も全員のZOOM対応ができました。「俳句サークル」はメンバー10名のうち2名は携帯電話・郵便対応でしたが通信句会とZOOM句会とを併用開催しました。また「ドイツ語初歩」は3名でZOOM学習を継続できました。残念ながら「古典文学輪読会」10名や「哲学サークル」15名は休会とならざるを得ず、その他「学外での活動主体の「アユチ雅楽の会」15名「八雲琴の会」3名もコロナ禍の影響で活動は制約されました。

オンラインを活用できサークル内での互いの気心がわかっていた場合はZOOMによる活動は可能ですが、この継続には限界があります。コロナの早期解消を期待するのみです。

12月5日(日)「太平洋戦争開戦80年ー開戦直前の日米関係を探るー」(ZOOM リモート発信)

日時: 12月5日(日) 14:00〜15:30  13:30開場

Zoomリモート発信: 名古屋市立大学滝子キャンパス一号館名古屋市立大学人間文化研究所内
主催: 名古屋市立大学人間文化研究科市民連携「市民学びの会」

題目: 「太平洋戦争開戦80年ー開戦直前の日米関係を探るー」

内容: あの太平洋戦争が勃発して80年が経ちました。
開戦直前、日米間では緊張した交渉が続けられましたが、結果として開戦となってしまったその原因、要因をこの講座では探ります。
知っているようで知られていない歴史を再考したく思います。

講師:門池啓史 カドイケヒロシ
博士(歴史社会学)
大学卒業後、サラリーマンを経てバブル経済前に中小企業の経営に携わる。バブル経済崩壊後、会社経営を知人に譲り、大学院にて多文化共生を専攻する。修士、博士課程を経て、大学理事・講師を務めながら、各地で市民講座の講師も担う。専門は歴史社会学だが、とりわけ日系アメリカ人と太平洋戦争の研究がライフワーク。著書に『日本軍兵士になったアメリカ人たち』他。

12月5日(日)13:30開場しますので接続状況を確認して待機してください。
質疑応答の時間を設けます。「チャット機能」をご利用ください。

2021年9月(オンライン)英字新聞を読む会」を見学

「英字新聞を読む会」を見学いたしました。出席者は12名

「市民学びの会」
zoom例会

Humanitarian disarmament, The treaty on the prohibition of nuclear weapons,And Japan
人道的軍縮核兵器禁止条約と日本

Bonnie Docherty
Harvard Law School International Human Rights Clinic
ボニー・ドチャーティーハーバード大学ロースクール国際人権クリニック

Presentation at the International Symposium for Peace:
平和のための国際シンポジウムでのプレゼンテーション
The Road to Nuclear Weapons Abolition
Hiroshima, Japan
核兵器廃絶への道広島、日本
July 27, 2019

日本がTPNW(核兵器禁止条約)に参加すべきと説いています。

http://hrp.law.harvard.edu/wp-content/uploads/2019/09/HD-TPNW-Japan-7-27-19.pdf