2021年度「市民学びの会」の活動報告

「市民学びの会」の活動 理事代表 山下善久
2020年2月よりコロナ禍のため長期間教室の使用が不能になり、ZOOM活用のオンライン活動になりました。しかし、高齢者のなかでスマートフォンやパソコンに馴染みのないひとはZOOM対応ができませんでした。

元来パソコンにより毎月の教材をデータ配信していた「英字新聞を読む会」のメンバー13名のほとんどがZOOM参加による活動が可能でした。「西洋史研究会」8名、「大衆社会論研究会」6名も全員のZOOM対応ができました。「俳句サークル」はメンバー10名のうち2名は携帯電話・郵便対応でしたが通信句会とZOOM句会とを併用開催しました。また「ドイツ語初歩」は3名でZOOM学習を継続できました。残念ながら「古典文学輪読会」10名や「哲学サークル」15名は休会とならざるを得ず、その他「学外での活動主体の「アユチ雅楽の会」15名「八雲琴の会」3名もコロナ禍の影響で活動は制約されました。

オンラインを活用できサークル内での互いの気心がわかっていた場合はZOOMによる活動は可能ですが、この継続には限界があります。コロナの早期解消を期待するのみです。

2021年9月(オンライン)英字新聞を読む会」を見学

「英字新聞を読む会」を見学いたしました。出席者は12名

「市民学びの会」
zoom例会

Humanitarian disarmament, The treaty on the prohibition of nuclear weapons,And Japan
人道的軍縮核兵器禁止条約と日本

Bonnie Docherty
Harvard Law School International Human Rights Clinic
ボニー・ドチャーティーハーバード大学ロースクール国際人権クリニック

Presentation at the International Symposium for Peace:
平和のための国際シンポジウムでのプレゼンテーション
The Road to Nuclear Weapons Abolition
Hiroshima, Japan
核兵器廃絶への道広島、日本
July 27, 2019

日本がTPNW(核兵器禁止条約)に参加すべきと説いています。

http://hrp.law.harvard.edu/wp-content/uploads/2019/09/HD-TPNW-Japan-7-27-19.pdf

(オンライン)大衆社会論研究会【第2回】

大衆社会論への招待
【第2回】群集の時代か、それとも公衆の時代か
-ル・ボンとタルドにおける見解の対立-

群集の時代の到来を予言したル・ボン

第1回では大衆社会論への入門的ガイダンスを行いましたが、第2回からは、いよいよ大衆社会論の主役たちが登場します。スペインの哲学者オルテガは、20世紀初頭に刊行された『大衆の反逆』(1930)のなかで、20世紀は「大衆の時代」であると断言しました。実をいいますと、二人のフランスの学者が、オルテガより先に20世紀が19世紀とは異質な社会形態になると予測していたのです。その二人のフランス人学者というのは、社会心理学者のギュスターヴ・ル・ボンと、社会学者のガブリエル・タルドです。今回の議論は、この二人の研究者の見解の対立をめぐって展開されることになります。
そのうちのひとり、群集心理の研究で知られるル・ボンは、19世紀末に刊行された『群衆心理』(1895)のなかで、ヨーロッパにおいて19世紀末から20世紀初頭にかけて、民衆階級の政治的進出がめざましく、その勢力が時々刻々に増大しつつある事実を踏まえて、いまわれわれが歩み入ろうとしている新しい時代は、「群集の時代」になると予言し、つぎのように述べていたのです。

>>大衆社会論への招待 第2回 群集の時代か、それとも公衆の時代かール・ボンとタルドにおける見解の対立ー
※PDFでご覧になれます。

オンライン学習サークル参加・興味のある方はお問い合わせください。

(オンライン)大衆社会論研究会

(オンライン)大衆社会論研究会 村井忠政(名古屋市立大学名誉教授)

はじめに
新型コロナウィルスの世界的感染拡大という未曽有の事態に直面し、全国の大学で対面式授業に代わるものとしてオンラインでの授業が一斉に始められました。名古屋市立大学でも、2020年度以降の授業はZOOMによるオンライン授業という形式を取ることになったのはみなさまご案内の通りです。

「市民学びの会」としては、会員の皆様の大半が高齢者であること、また狭いセミナー室での「三密」を避けにくい状態での活動であることに鑑み、対面での活動をこれまで自粛してまいりました。しかしながら、コロナ感染拡大がなかなか収束に向かう気配がないため、このままいっさいの活動を停止しているよりは、「市民学びの会」としてもZOOMによる研究会・読書会を立ち上げてみたらどうかとの声が出たことで、いくつかのサークルがZOOMでの活動をはじめました。

慣れないオンラインでの研究会ということで、正直なところ、当初は技術面や運営面での不安や戸惑いがありましたし、実際なかなかスムーズな立ち上げというわけにはいかなかったというのが実情でした。それでも、「習うより慣れよ」のことわざ通り、その後の試行錯誤を経て現在では何とかまがりなりにも活動を続けております。

>>大衆社会論への招待 第 1 回 大衆社会論とはどのような学問なのか
※PDFでご覧になれます。

オンライン学習サークル参加・興味のある方はお問い合わせください。

アユチ雅楽会2020年度奏楽活動

雅楽は、千年以上にわたり受け継がれてきた音楽で、世界最古のオーケストラとも 呼ばれています。アユチは「めでたき物をもたらす風」を意味する古い言葉。アユ チ雅楽会は、神社・寺院の祭礼・縁日や各種行事・イベントでの奏楽をとおして 「幸いを届けたい」という想いで活動しています。

コロナ禍に見舞われた2020年度。例年の奏楽活動は、ほぼ中止となりました が、12月23日に瑞穂文化小劇場で開催された『名古屋市立大学×名古屋市文化振興事業団 連携協定締結記念イベント~withコロナ時代の劇場と地域文化~』 では、名古屋市指定無形文化財である催馬楽「桜人」を奏楽することができました。このイベントでは、「オンラインと劇場の共存」「コロナ時代に合った地域文 化活動と文化施設の活用」をテーマにしたシンポジウムを軸に、名古屋市立大学に 縁のあるアーティストによるパフォーマンスが行われました。 催馬楽「桜人」の奏楽は、催馬楽桜人保存会(名古屋市指定無形文化財保持団 体)、名古屋市博物館サポーターMARO(名古屋市立大学 学部生サークル)、ア ユチ雅楽会によるコラボーレーションにより行われました。3団体のコラボ奏楽 は、2016年より継続実施しています。 最後に今までのコラボ奏楽の記録を紹介して結びとします。

2016年11月 6日 やっとかめ文化祭(名古屋市博物館)
2017年10月21日 第63回名古屋まつり 郷土芸能祭(オアシス21)
2018年10月20日 第64回名古屋まつり 郷土芸能祭(オアシス21)
2018年11月 4日 地域伝統芸能全国大会(日本特殊陶業市民会館)
2019年10月19日 第65回名古屋まつり 郷土芸能祭(オアシス21)

渡邊良永

連携協定締結記念イベント
連携協定締結記念イベント
やっとかめ文化祭
やっとかめ文化祭

オンライン開催学習サークル報告

大衆社会論研究会

研究会の名称は「大衆社会論研究会」とし、最初に選んだテキストはスペインの哲 学者オルテガ・イ・ガセットの『大衆の反逆』(神吉敬三訳、ちくま学芸文庫)で した。原著は1930年に刊行され、その後世界各国で翻訳され、大衆社会論の古典と して世界的に知られるようになりました。本書が刊行されたころのヨーロッパはド イツ、イタリア、スペインでファシズムが台頭し、ヒトラー、ムッソリーニ、フラ ンコなどの独裁者が政権を握り、それを大衆が熱狂的に支持するという激動の時代 であり、ヨーロッパの市民社会から生まれた民主主義が危機に瀕していました。本 書でオルテガは20世紀が「大衆の反逆」「大衆の支配」の時代になると予言し警鐘 を鳴らしたのです。 毎月1回例会を開催し、報告者を決めて2時間ほどかけて報告と自由討議を行ってい

ます。ホストは村井忠政が務め、現在5名の会員で運営しております。『大衆の反 逆』のあとには、F. パッペンハイムの『近代人の疎外』(粟田賢三訳、岩波書店)を読んでいます。

村井忠政

英字新聞を読む会

2020年2月コロナ禍により活動を一時停止しましたが、7月からズームにより オンライン例会を再開しました。 最初は十分なミーテイング効果が出るのか半信半疑でしたが、予想以上に充実した 例会を持つことができ、ZOOMも悪くないという印象です。 参加者も従来より2名脱落した程度で、16~17名が参加しています。 通常なら会終了後、有志メンバーは喫茶店で雑談して帰るのを楽しみにしておりま したが、それができないのが唯一残念なことのようです。

河面祥三郎

俳句をつくり語る会

「俳句サークル」は、俳句をつくり語る会として2015年4月に発足。月に一回 開催してきましたが、コロナ禍によりゼミ教室では2020年1月を最後として中 断しました。翌2月は休会として3月より通信句会として活動を開始しました。ス マートフォンやパソコンを所有していないメンバーがいるために郵便手段を含め て、幹事が月に4句の投句をまとめそれらの一覧表をメンバーに還元、これを基に して6句選択して連絡していただきます。今度は集計した結果をメンバーに送付し ます。この上で送付日から3~4日後にZOOMにより意見交換会を一時間半掛け て実施しています。 この会にはパソコンを活用できないメンバーは残念ながら参加していませんが、対 面式の句会とほぼ同じ効果が得られていると思います。しかしこれもゼミ室での直 接交流実績が寄与しているところ大と感じています。因に現在の会員数は9名です のでこのような運営が成立しているのです。ゼミ教室での早期活動開催を待ち望ん でいる次第です。

山下善久

オンライン研究会(仮称:大衆社会研究会)

村井忠政名誉教授からの連絡

既存のサークルとは別に、学びの会のメンバーの一部有志によるオンライン研究会(仮称:大衆社会研究会)が立ち上げられ、59日(土)の午前1000から1200まで、第1回の研究会が開催されました。

ZOOMのホスト役を勤められたのは川瀬会員で、第1回の報告担当は村井でした。参加予定者は7名でしたが、実際に参加されたのは5名でした。

使用テキストは、オルテガ・イ・ガセット著/神吉敬三訳『大衆の反逆』ちくま学芸文庫(1995年初版)です。

1回例会では、同書の第1部第1章「充満の事実」および第2章「歴史的水準の向上」について議論することになりました、

報告者(村井)が事前に用意したレジュメをあらかじめ参加予定者に添付ファイルで送り届け、それを各自がプリントアウトしたものを参照しながら議論を進めるという形式でした。難解な箇所(特にオルテガの「大衆」の定義は大変分かりづらく、誤解を招く恐れがあります)もいくつかありましたが、何とかまとめました。 

本書を今日取り上げる意義について。

本書は1930年にスペインの哲学者オルテガが刊行したもので、100年近くも前に今日の高度大衆社会の危機を予見したことで

欧米先進国で注目され、わが国でも保守派論客として活躍された故西部邁氏がオルテガを紹介されたことで広く知られるところとなったわけです。現在もその後を継ぐ研究者としては、たとえば政治学者の中島岳志(東工大教授)がおられます。 

昨年(20019年)2月には、NHK教育テレビの講座「100de 名著」で「オルテガ 大衆の反逆」が取り上げられ、中島岳志教授が講師を務め4回にわたり放映されました。このテキストの中で中島さんは次のように述べています。「著者のオルテガは、20世紀を生きたスペインの哲学者で思想家ですが、彼は本書の中で、『大衆が社会的中枢に躍り出た時代』にあって民主主義が暴走するという『超民主主義』の状況を強く危惧しています。そして、それと対置する概念として『自由主義=リベラル』を擁護しました。(中略)彼が言う『リベラル』とは、自分と異なる他者と共存しようとする冷静さ、あるいは寛容さといったものです。『大衆』が支配する時代においては、そうした姿勢が失われつつあるのではないかというのが、オルテガの指摘でした」。まさに今日の日本こそオルテガの危惧した「大衆社会」状況になっていると言えるのではないでしょうか。 

ご関心のある向きには是非参加していただきたいと思います。 

学習サークル「八雲琴の会」の紹介

八雲琴は、伊予国(愛媛県)の中山琴主(なかやまことぬし)が江戸後期(1820年)に出雲大社を参拝した折に、御神意を得て創案した二絃琴です。2020年は、創案200年のメモリアルイヤーになります。

八雲琴は、絶えて久しかった神代の御神宝である「天の詔琴」の再現と伝えられています。御神前に限って使用される琴であるがゆえに、神聖さが保たれてきました。竹を象った桐材の胴に張った天と地をあらわす二本の絃を、左手の中指にはめた白竹の円筒形の管(転管)で押さえ、右手の人差し指にはめた鹿角の爪(龍爪)で二絃同時に弾じて奏します。
八雲琴は、名古屋にゆかりのある琴です。八雲琴には三つの流派がありますが、その一流派「八雲大岸流」の家元がかつて名古屋に存在していました。八雲琴は、明治期まで隆盛でしたが、その後衰退し、現在では三つの流派とも家元は廃絶、伝承には多くの課題を抱えています。

「八雲琴の会」では、伝承の一助となるよう、次の三つについての調査・研究を行っています。
(1)かつて名古屋で伝承されていた八雲琴の一流派「八雲大岸流」
(2)八雲琴の創案者である中山琴主
(3)中山琴主を元祖とする八雲琴の各流派

会員各自で調査・研究を行い、年に数回開催の報告会等で情報交換をしています。八雲琴の会では、八雲琴の奏楽は行いませんが、奏者・奏楽団体と連携して活動をしています。

八雲琴の会代表 浦野亜子

「市民学びの会」学習サークル八雲琴の会

「市民学びの会」学習サークル八雲琴の会