Archive for 3月 7th, 2008

平田雅己准教授「ブッシュ外交の総括―「対テロ戦争」の8年」

第10回 サイエンスカフェ 2008年3月2日(日)

テーマ:「ブッシュ外交の総括―「対テロ戦争」の8年」

講師:平田雅己准教授

以前から耳にしておりましたサイエンスカフェに参加しました。今回は、昨年春に私が受講させていただいた、平田先生のスピーチでしたので背中をぐっと押され参加しました。演題はブッシュ外交の評価という、大統領選挙に沸くアメリカ外交の実態という、今を旬とするテーマで大変興味がそそられました。

常に事実の積み重ねによる歴史的事件の検証、またそれに至った決断の真相にせまるという平田先生の手法は,大変おもしろく楽しませていただきました。今回の副題であるイラク戦争の政策、という世界が注目しているテーマも事実を積み重ねていただき、ホントかよ、といいたくなるような事実でした。

私見でありますが、アメリカという国は移民国家ではありますが、基本的に白人中心の発想を持った政策を進める国でもあり、自分のスタンダードに合わない、またどんな分野でも自国より少しでも優越的地位にある国が出てくると、敵愾心をむき出しにするという競争国家でもあります。しかしこの国は、必ずどこかで振り子が戻る国でもあり、先生の説明にもありましたチャーチルの言ったとうりの国でもあります。日本政治ではありえない、やれば立ち上がることが出来ないほどの袋叩きに合うのは必定。

平田先生のスピーチはこれらの政治状況の中で、誰がそのときどのように行動し、どんな発言をしたか、具体的に示していただき、当該人物の職歴などからも説得性のあるものでした。時々スピーチは主題とは違ったわき道に入るのですが、歴史の面白さはこのまったく違う角度から見てみるという、これが大切といつも思っております。シンディシーハンに事例がそうです。ほんのささいなことがその後の政治に大きな影響を与えたことは多くあります。歴史検証の醍醐味でもあります。
大西 聰(参加者)