Archive for 2月, 2012

野田雅子さん「社会的弱者への食育活動 -外国人・障がい者に向き合って―」

マンデーサロン 2012年2月20日(月)

テーマ:「社会的弱者への食育活動 -外国人・障がい者に向き合って―」

講 師:研究員 野田雅子さん

マンデーサロン私は普段、外国人児童生徒と接する仕事をしています。外国人児童と接する中で、学習面のケアだけでなく、家庭を視野に入れたケアが必要であると感じていました。特に食育は、日本食には抵抗があることに加えて母国の食材が少ないため食材が偏り栄養バランスが悪くなりがちであること、両親が共働きであるためコンビニエンスストアのお弁当などを利用が多くなりがちであることを心配していました。何らかの対応が必要であると感じていました。そのため、このマンデーサロンを知り、勉強のため参加することにしました。

豊田市のNPOと協力した研究内容は、非常に参考になりました。特にお弁当が日本独自の文化であることには驚きました。保護者が自ら望んで参加する形は望ましい形であると思います。また、保護者のコミュニケーションの場としてもよいと思いました。おそらく、今後はそうなっていくと思うのですが、日本人児童の保護者も交える形になるとよりいっそういい場になるのではないかと思いました。

清長 豊(京都大学理学研究科大学院生)

たまたまwebサイトで今回のマンデーサロンを知り、興味があったので参加させてもらいました。

実際にとても甘いジュースを飲んでみたり、調理実習の映像を見ることができてわかりやすかったです。外国籍の子供たちの食生活が乱れていることは知識として知っていましたが、ここまでとは思いませんでした。子供たちは学校などで食育の機会がありますが、保護者にはきっと無いのではないかと思います。小学校も協力してこのような取り組みがもっと広く身近なものになればいいのになと思いました。 障がい者施設での調理実習やいけばななどの取り組みもとても良いと思いました。実際の映像から施設の方々が実習をとても楽しみにしているのが伝わってきました。

今回のサロンに参加して、自分にも何かできることがあるのではないかと考えるきっかけになりました。また興味のあるものがあれば、参加したいと思います。

清長摩知子(名古屋市立大学職員)

滝村雅人教授「発達障害児者の理解と支援」

47回サイエンスカフェ 2012年2月19日(日)

テーマ:「発達障害児者の理解と支援」

講師:滝村雅人教授

サイエンスカフェ今回は滝村雅人先生が、「発達障害児者の理解と支援」について、2007年から開始された「特別支援教育」との関係性を踏まえた上で、その現状や課題について講義された。

「特別支援教育」では、従来の特殊教育の対象に加え、通常学級における発達障害児も新たな対象となっている。また、「児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握して適切な教育的支援を行う。」という理念を掲げ、教育機関のみならず、福祉、医療、労働等の様々な関係機関との連携・協力が求められている。しかし、包括的支援体制が必要とされているにも関わらず、現実は、教育支援のみに限定されているような状況である。つまり、理念と実態が一致していないのである。

そして、滝村先生は、発達障害児の特徴は、同じ障害でも子どもによって違うこと、また、困っているのは本人であり、その“つまずき”に周囲が気づいてあげる「気づき」が大切であり、そこがスタートであると指摘された。

現状では、年齢を重ねれば重ねるほど、支援が少なくなっていく状況であり、高等教育機関等でのサポート体制の構築が必要とされている。今後は、関係者・機関が連携し、障害児者のライフステージに合わせた連続的支援がより重要になっていくと考えられる。

今回の講義は、一人でも多くの教育関係者に聞いて欲しい内容であった。今後もこういった機会が設けられ、社会における発達障害児者に対する正しい理解と支援が広がっていけばと思う。

水野 和代(同研究科博士前期課程)