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原田信之教授「他国から学ぶ学力改革の処方箋―学力ショック後のドイツからみえる未来像―」

マンデーサロン 2013年7月25日(木)

講師:原田信之教授(教育内容研究)

テーマ:「他国から学ぶ学力改革の処方箋―学力ショック後のドイツからみえる未来像―」

2006(平成18)年、安部政権の下、教育基本法が改正されたことは記憶に新しい。改正の内実や解釈はさておいても、学校教育は国民形成、人材育成と いう目的から離して考えることはできない現実である。国家の将来と結びつく、学校教育のあり方には、今も昔も変わらぬ関心が持たれるものだが、グローバル 化を続ける現代社会において、世界競争力を備えるための子どもの学力形成には、とりわけ強い関心が持たれているのではないだろうか。

このような折に、本学マンデーサロンにおいて、ドイツ教育学者であり、現行学習指導要領の改善協力者の本学教授原田信之先生による講演が行われた。本講演は、PISAショックを乗り越え学力改革に成功したドイツから、積極的に日本が学ぶべき点が示唆されていた。

「PISA型学力」は、OECDが提示する一つの学力モデルであるが、その強制力は、どこにもない。しかし、少なくとも日本の場合は、教育現場へ責任を 負わせながらも、国は法律をはじめ、教育行政、予算の配分等を通して、手綱を握り続け、現場を統制している。講演終了後、「PISA型学力」について活発 な質疑応答が行われたが、もう少し時間が許せば、このような方向での議論も深めたいと思った。

安林奈緒美(市民)

マンデーサロン