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久保田健市准教授「青年の自立と家庭・地域の教育力」 

39回サイエンスカフェ 2010年9月19日(日)

テーマ:「青年の自立と家庭・地域の教育力」

講 師:久保田健市准教授

バブル期以後、日本の教育は問題解決能力・コミュニケーション能力に代表される新しい能力観を反映した改革圧力と、若者の凶悪化論に対応する形での公共心の育成を求める圧力にさらされている。そして、両者はともに地域や家庭での教育をよりいっそう重視する点で共通している。本講座は筆者が参加した本研究科の研究グループと名古屋市子ども青年局青少年自立支援室との共同調査で得たデータから、家庭・地域での教育的関わりと上記の教育的課題との関係を分析した結果を中心に展開された.

結果として、厳しいしつけよりも、親が子の相談にのるなどの関わりの方が公共心の高さと関係があること、わずかではあるがコミュニケーション能力の高さが学歴階層や収入階層と関係があることなどがわかった。おおむね講座は好評であったが、参加者が少なく、「もっと多くの人が受講すればいいのに。もったいない」との感想を頂けたのはありがたかった。

久保田健市(同研究科准教授)