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成田徹男教授「問題な日本語―日本語の何が問題か」

第28回 サイエンスカフェ 2009年9月20日(日)

テーマ: 「問題な日本語―日本語の何が問題か」

講 師: 成田徹男教授

サイエンスカフェ9月20日、丸善にて人間文化研究所主催サイエンスカフェが行われました。この日は、言語学のご専門である成田徹男教授が、「問題な日本語――日本語の何が問題か――」と題され、現代の日本語の問題として、「ら抜きことば」や「敬語の変化」を中心に、ご講演くださいました。

「ら抜きことば」は、最近特に話題となっている「見れる」「来れる」といったことばで、「誤用ではなく、合理的な変化の進みであり、今後は「ら抜き」の形がふつうになるという説もある。」いうお話もあり、大変興味深く拝聴しました。

「敬語の変化」については、「方言の敬語が、消えつつあり、方言の敬語が共通語化している。」といった「方言の敬語の共通語化」や、「「おいしゅうございます」が消えつつあり、「おいしいです」がふつうになりつつある。」といった、「ていねい体の変化」をお話しくださいました。「消えつつある」ことばを、私たちはどのように継承していくのかを考えるきっかけを、与えてくださいました。

質疑応答において、「敬語の問題」、「ら抜きことばの使い分け」、「テレビにおけるニュースなどの字幕」など、参加者の方々が多数質問されました。皆さんが日頃から疑問を持っていらっしゃったことを、質問として投じられたようです。次から次へと質問がされるなか、時間があっという間に5時を回り、会の終了を大変名残惜しく思われました。

村田志保(同研究科博士後期課程)