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伊藤恭彦教授「貧困の放置は罪なのか―国境を越える正義の可能性」
Posted By human On 2009年4月23日 @ 15:51 In マンデーサロン | Comments Disabled
今年度最初のマンデーサロンが4月20日に開催された。4月に赴任したばかりの伊藤恭彦教授が「貧困の放置は罪なのか―国境を越える正義の可能性」と題して報告して、活発に質疑が行われた。
まず21世紀初頭の世界の貧困問題を数字で示して、国境を超える財移転政策、例えば ODA政策の倫理的根拠の考察が報告の課題とされた。私たちの日常生活に潜む常識としてマル サス主義、リバタリアニズム、ナショナリズムについて検討し、とくにリバタリアン的所有の問題点 として5点あげる。そして「常識」から正義へ、国際公共政策の改革を展望する。慈善ではなく、正義に基づく国境を越える財移転政策について、ODA政策や国際連帯税などの新たな政策を紹介する。おわりに、コスモポリタリズムと関わらせて、地球市民としての倫理的課題を提示した。
多面にわたる報告を紹介するのは困難をきわめるが、「貧困の放置は罪なのか」「国境を超え る正義の可能性」という問題提起は、32名の参加者の知的好奇心を大いに刺激するものであっ た。初めての参加者も多く、今年度最初にふさわしいサロンであった。
山田明(同研究科教授)
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