山田 明教授「公共政策と財政とまちづくり」

第11回 サイエンスカフェ 2008年 4月20日(日)

テーマ: 「公共政策と財政とまちづくり」

講師:山田 明教授

サイエンスカフェ今回のサイエンスカフェの講師である山田明先生のもと、名古屋市立大学大学院で学ぶことになったのはこの春からである。私の研究テーマは、まちづくりや地域再生という分野である。その中でも、まちのシンボルというべき存在に関心がある。

サイエンスカフェの後半、広小路通の改修の話題になり、参加者の中からも賛否の声が挙げられた。その中で、広小路通には核となる存在がないために、歩道を整備しても人が集まらないのではないかという意見が出た。 私の考え方に当てはめるとシンボルの不在といえる現象である。しかし、歩道が整備され、せせらぎが流れ、オープンカフェが洒落た雰囲気をつくり出すことになれば、これが広小路通のシンボルとなることは十分に考えられる。そのために、莫大な予算と時間を費やすことになり、その費用対効果を疑う声も少なくはない。反面、現代のまちづくりにおいて、癒しの空間を演出することも非常に重要なテーマであり課題でもあるといえる。

三十路を越え、縁という不思議なつながりを大切にしようと思うようになった。そのつながりも、先生のお話にあった人と人とのネットワーク、つまりソーシャルキャピタルの一部ではないかと改めて感じた。そしてそれこそが、今後のまちづくりを担っていく力になるのではないだろうか。

平野誠悟(同研究科博士前期課程)

平田雅己准教授「ブッシュ外交の総括―「対テロ戦争」の8年」

第10回 サイエンスカフェ 2008年3月2日(日)

テーマ:「ブッシュ外交の総括―「対テロ戦争」の8年」

講師:平田雅己准教授

以前から耳にしておりましたサイエンスカフェに参加しました。今回は、昨年春に私が受講させていただいた、平田先生のスピーチでしたので背中をぐっと押され参加しました。演題はブッシュ外交の評価という、大統領選挙に沸くアメリカ外交の実態という、今を旬とするテーマで大変興味がそそられました。

常に事実の積み重ねによる歴史的事件の検証、またそれに至った決断の真相にせまるという平田先生の手法は,大変おもしろく楽しませていただきました。今回の副題であるイラク戦争の政策、という世界が注目しているテーマも事実を積み重ねていただき、ホントかよ、といいたくなるような事実でした。

私見でありますが、アメリカという国は移民国家ではありますが、基本的に白人中心の発想を持った政策を進める国でもあり、自分のスタンダードに合わない、またどんな分野でも自国より少しでも優越的地位にある国が出てくると、敵愾心をむき出しにするという競争国家でもあります。しかしこの国は、必ずどこかで振り子が戻る国でもあり、先生の説明にもありましたチャーチルの言ったとうりの国でもあります。日本政治ではありえない、やれば立ち上がることが出来ないほどの袋叩きに合うのは必定。

平田先生のスピーチはこれらの政治状況の中で、誰がそのときどのように行動し、どんな発言をしたか、具体的に示していただき、当該人物の職歴などからも説得性のあるものでした。時々スピーチは主題とは違ったわき道に入るのですが、歴史の面白さはこのまったく違う角度から見てみるという、これが大切といつも思っております。シンディシーハンに事例がそうです。ほんのささいなことがその後の政治に大きな影響を与えたことは多くあります。歴史検証の醍醐味でもあります。
大西 聰(参加者)

山田美香准教授「少年犯罪」

第9回 サイエンスカフェ 2008年2月17日(日)>

テーマ: 「少年犯罪」

講師: 山田美香准教授

サイエンスカフェサイエンスカフェ

佐野直子准教授「途上の言語―イタリア・ピエモンテ地方のオック語への旅」

第8回  サイエンスカフェ 2008年1月27日(日)

テーマ: 「途上の言語―イタリア・ピエモンテ地方のオック語への旅」

講師: 佐野直子准教授

サイエンスカフェ以前から会の活動は知っていましたが、今回のタイトルに引かれ初めて参加しました。私たちが毎日何気なく、あるいは意識して使っている言語が、人間の生活や文 化、歴史にどれほど重要かと、益々強く思うようになっているからです。 イタリアの山岳地帯の少数派言語、オック語の成り立ちから変遷、現在の状況などをお聞きしました。佐野先生が現地取材の際、日本人女性が何しにこんな辺鄙な場所 に来たのかと怪しまられた時、オック語の歌を一緒に歌って、一気に疑いが晴れたことなど、言葉がいかに人と人の関係を繋げるものかと実感。最近、若者たちでオック 語の歌詞で音楽を作るのが流行し、CDで少し聴かせてもらいましたが、時間があれば1曲聴きたかったくらい。で、日本でもこの数年、沖縄の言語を取り入れた曲が人気 を呼んでいるのと同じような現象ではと、面白く思いました。

イタリアでは「言語的少数派保護法(482法)」(1999年)が制定され、オック語など少数派言語が明記され、補助金もどんどん出され、保護する運動が広 がったものの、さまざまな問題点もあると話されました。ひょっとしたらこのオック語って何百、千?年後の日本語に通じるかも、と身近に考えてしまいました。今、世 界の少数言語がどんどん消えていく中、日本語を話すのは日本だけ。「多文化・多言語主義」に賛成ですが、では狭い地域でしか使われない言語をどう活用し、残してい くかとなると、正直わかりません。「世界遺産」として自然や街並みが保護され、こういうものは貴重だと世界の人たちに認識されていますが、少数言語も同じよ うに大事なものだと思います。サイエンスカフェ
2時間があっという間でした。この先、オック語がどうなるか気になり、「地域によってバラバラなオック語を一つに統一してきちっとした言語にしたら残るのでは」 と帰りがけに先生に話しかけてしまいました。「無理に統一を図らず、オック語を使う人々が、ああだ、こうだとどうしたらいいかと繰り返し議論し続けることが、この 言語が生命力を保つエネルギーになるでしょう」と返して頂きました。ありがとうございました。

白石

田中敬子教授「アメリカ文学のニューオーリンズ」

第7回 サイエンスカフェ 2007年12月16日(日)

テーマ: 「アメリカ文学のニューオーリンズ」

講師: 田中敬子教授

わかりやすく、楽しく参加できてよかったと、感謝しています。ニューオーリンズという地名は、なんとなくなじみがあり、 (音楽の関係か?)アメリカ文学の中では多くの作品の舞台に なっていると思い込んでいましたが、案外に少ないのだなとい う印象です。(フォスターなどの歌の舞台もあの辺と思いこん でいました。)

一国の文学などを論議するときには、当然、その国の歴史や 地理、時代背景、社会背景、等の基礎知識が必要となりますが 、配布資料を見ていて、自分が特に、地理面・アメリカ開拓史 (ニュオーリンズの歴史)においてうとかったかということを 再認識しました。
お話をきいているうちに自分の場合、映画を見て、アメリカ の文学像を構成している可能性も高いということも気がつい て きました。

田中先生の聴講生からの質問に対する懇切な、ある意味ではやさしさを感じさせる対応には敬服するとともに、時間配分として十分に質疑の時間をとられていることで、参加者として安心して、質問の手を上げることができたことを申し添えます。

 藤田吉長

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