服部幸造教授「和泉式部の亡霊」

マンデー・サロン 2006年6月5日(月)

テーマ:「和泉式部の亡霊」

講師: 服部幸造教授

マンデーサロン6月5日(月)に本学人間文化研究所にて、本研究科教授服部幸造氏による発表「和泉式部の亡霊」がなされた。参加者は本研究科教員・大学院生・修了者含め20名近くもあり、本研究科の規模と月曜日の夕方という状況を考えると第1回目の“マンデー・サロン”に大きな関心が寄せられていることが伺われよう。

氏の発表は、和泉式部がその生前のイメージから中世における“亡霊”概念と重ね合わせられ、一種の信仰として畏敬の念をもって語り継がれていく様を、応仁の乱前後から戦国末期あたりまでの古典芸能や各種記録類を通じて新資料をも踏まえながら明らかにしたものであり、古典文学や芸能を通じて日本文化の研究に長年の研鑽をつまれた氏の力量の確かさと学識の豊かさ、さらにはその巧みな話術もあいまって氏の講義が本学における“人気講義”であることを納得させるに十分な内容であった。質疑応答においては、日本仏教史についての基礎的な知識から、当時の信仰の実態にいたるまでと幅広いテーマが話題となった。

また、本研究科においてはいわゆる古典研究を専門とする教員は比較的少数であるが、氏の発表に他領域の教員・院生が触れることにより、古典研究の世界を垣間見ることができたのは有意義な点の一つであったと思われる。他領域間の、また公的私的なコミュニケーションの場としての“マンデー・サロン”のさらなる発展が望まれる所以である。

原口耕一郎(同研究科博士後期課程)

「共生」シンポジウム

「共生」シンポジウム 2004年12月18日

人間文化研究所「共生シンポジウム」
昨年12月18日に人文社会学部棟201教室で「共生」をテーマにした公開シンポジウムを開催した。主催は人間文化研究科であり、夏から準備してきた。こうした研究科主催のシンポジウムは、学部・研究科ができてから初めての企画である。かねてから学部・研究科の「存在」を対外的にアピールする必要を感じていたので、研究科長自らが「旗振り役」になって企画・準備してきた。

本研究科は法人化準備の過程で研究所設立、教職などの免許資格を重点課題と位置づけ、各方面に働きかけてきた。この4月には「人間文化研究所」が設立できることになり、その記念の催しにもすることができた。パネリストは今福龍太氏、平野健一郎氏、水野理恵氏、宮島喬の4氏であり、コーディネーターを村井忠政氏がつとめた。

パネリストの「顔ぶれ」もあり会場がほぼ満席になった。事前に参加者数が把握できなかったので、ほっとしたものである。シンポジウムでは「共生」研究の課題と展望をテーマにして、4時間半近くの報告と討論がなされ、密度の濃いシンポジウムになったと思う。この内容は報告書として刊行される予定だ。これから研究所を中心にして、「共生」「多文化共生」ないし「共生社会」研究を推進していきたい。

シンポジウムが終わってから「懇親会」を行った。これも「生協」食堂でやったこともあり「盛況」であった。

山田 明(同研究科教授)

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