Archive for the ‘サイエンスカフェ’ Category

久保田健市准教授「心理学の立場から見る、愛国心・ナショナリズム・多文化主義」

第63回サイエンスカフェ 2013年12月7日(土)

講師:久保田健市准教授

テーマ:「心理学の立場から見る、愛国心・ナショナリズム・多文化主義」

ときに人間を戦争へと導く愛国心・ナショナリズムとは心理学的にどのようなものなのか疑問に思い、サイエンスカフェへの参加を決めました。
実験結果や理論を分かりやすく解説してくださり、愛国心やナショナリズム、右傾化などの感情が入りやすい話を客観的に理解することができました。
自分は愛国心やナショナリズムに流されることはないだろうと思い込んでいましたが、集団間関係に関する実験結果や理論を見ていると、自分も集団の価値観に流されてしまう可能性があることに気がつき、驚きました。

また、質問の時間や空き時間などに自分とは異なる立場の人の意見を聞くことができ、これらの問題に対しての意見の多様さを直接感じることができました。
ヘイトスピーチなどで人を傷つける言葉を簡単に口にしてしまうような人に対して恐怖を感じていましたが、明確な悪意がなくても人を傷つける行為に走ってしまう可能性は、誰にでもあるのかもしれないと考えさせられました。

岡原里佳(本学部2年生)

サイエンスカフェ

天谷祐子准教授「『私』の在りかに関する発達心理学-小学生と大学生のとらえ方は?-」

第62回サイエンスカフェ 2013年10月5日(土)

講師: 天谷祐子准教授(発達心理学・教育心理学)/h3>

テーマ: 「『私』の在りかに関する発達心理学-小学生と大学生のとらえ方は?-」

今年三月に大学を卒業し、社会人として半年ほど生活したところで、今回のサイエンスカフェについて知りました。在学中に講師の天谷先生の授業を受けたこともあり、懐かしい気持ちと共に参加を決意しました。

今回は「『私』の在りかに関する発達心理学」ということで、何かを考えたり感じたりする「私」はどこに存在するのか、その認識が自身の発達によってどのように変化するのか、またその背景についてを、天谷先生が噛み砕いて講義してくださいました。
初めにワークシートで、参加者の考える「私」が各々にとって明確にされていたので、講義内容に入り込みやすかったです。小学5、6年生と大学生の「私」に対する認識を比較をしていくところでは実体験と重ねられ、心理学の知識が深くない私でも興味を持って聞くことができました。

まだ研究途中のテーマとのことで、今後の展開がとても楽しみになりました。また機会があれば参加したいです。

飯田 佳祐(本学卒業生)

サイエンスカフェ

古賀弘之准教授「保育と音楽Ⅱ ~リトミックを通して育つものは?~」

第61回サイエンスカフェ 2013年8月31日(土)

講師: 古賀弘之准教授(音楽教育学)

テーマ: 「保育と音楽Ⅱ ~リトミックを通して育つものは?~」

今回のサイエンスカフェは私の恩師古賀先生が担当されるとのことで、ご挨拶を兼ねて2歳の息子と共に参加しました。幼児を対象としたリトミックの講座ということで、先生のピアノに合わせて飛んだり跳ねたりするようなものを想像していましたが、予想に反して大学での講義そのままの充実した内容に驚きました。

前半は理論編として、代表的な音楽教育法の特長と乳幼児期におけるリトミックを通した教育の意義などについて、穏やかな口調により簡潔で丁寧に解説されました。特に脳科学や心理学の側面からの解説は興味深く、自身の音楽活動や指導を通して感じていることが論理的に裏付けられ、大変良い刺激を受けました。後半ではうって変わり、親子一緒に賑やかな雰囲気の中で音やリズムを使った遊びを体験しました。息子にとっては初めてのリトミック体験でしたが、年上の子たちに混じって飛んだり跳ねたり、ボールを転がしたりといった遊びをとても楽しんでいる様子でした。

講座終了後にはすっかりテンションの高くなった息子を追い掛けながら、古賀先生はじめ学生時代お世話になった先生方にもご挨拶できました。次回の講座もまた息子を連れて参加したいと思いますので、楽しい企画を期待しています!

麓 洋介(市民)

サイエンスカフェ

宮田学名誉教授「日本人英語に見られる誤り―その傾向と対策」

第60回サイエンスカフェ 2013年6月15日(土)

講師: 宮田学名誉教授(英語教育学)

テーマ: 「日本人英語に見られる誤り―その傾向と対策」

※2013年2月16日開催回のアンコール講座

中学、高校時代の恩師、宮田先生の講義を受けることができる、とお聞きし、内容を確認せずに今回の講義に参加させていただきました。どんな内容だろう?私にも理解できるのだろうか?と不安を抱きつつ、席に着きました。早速いただいた資料には、なんだか、見覚えのある英語の文章が並んでいました。

なんと、それは、かつて私たち附属の生徒が作った英作文で、間違えた代表的なものが挙げられていたのです。どのように直したらいいか考えるようにおっしゃられたのですが、日本人的な感覚の私には、よくわかりませんでした。「あとで、あてるから。」とおっしゃられ、わたしはもう、それだけで、ドキドキでした。ドキドキ感がおさまらないうちに、講義は始まり、久しぶりの宮田先生のトークにはまっていきました。日本人がよくおかす誤りは、紛れもなく私たち生徒たちがおかした誤りでした。対策方法としての、GDM手法は、まさに、目から鱗でした。そう、私たちが受けていたのは、このGDM手法にのっとった授業だったのか・・・今更ながら、感動でした。

現在、私は英語の指導はしておりませんが、将来、もし、そのような機会があるのでしたら、ぜひ、まず、この手法をもっと勉強し、少しでも、取り入れることができれば、と思っております。本当にありがとうございました。

橋本順子(名古屋大学教育学部附属中学・高等学校卒業生)サイエンスカフェ

菊地夏野准教授「フィリピン人女性から見た名古屋、日本」

第59回サイエンスカフェ 2013年4月27日(土)

講師: 菊地夏野准教授(社会学<ジェンダー論>)

テーマ: 「フィリピン人女性から見た名古屋、日本」

今回のサイエンスカフェでは、婚外子の国籍訴訟について、フィリピン女性から直接お話を聞くことができた。勝訴の前例がなく難しいだろうと考えられていたが、諦めず立ち向かう姿勢に勇気をもらえた。人間として産まれてきたことに変わりないのに、婚外子ということのみで差別や不利益が生じることはあってはならないことだと思う。今回の例で違憲判決を得たことは、多様な家族が認められる形ともなり歴史的に大きな一歩だったと感じさせられた。

ジェンダー研究について研究者から直接お話を聞けたことも非常に有意義であった。フィリピン女性に教わりながら参加者みなでダンスをする場面もあり、土曜の午後の楽しい時間ともなった。

先生のお話の中で、ジェンダー研究は1980~90年代にかけてのジェンダー・フェミニズムの華やかな発展を経て、バックラッシュと男女共同参画の並行で複雑な状況を迎えているとあった。また、ジェンダー研究混迷の要因として、若い世代の保守化、女性の非正規雇用の割合が高い実態とは裏腹に、非正規雇用の男性と一部の正規雇用で生活が安定した女性を比較して、「男性の方がつらい」という言説があることが挙げられていた。その上で、今後のジェンダー研究と関連して、「女性」の一枚岩視の限界や新たなアプローチが必要であると述べられていた。

女性にとって不利な社会である現状を、単に女性の問題として片付けてしまうのではなく、性別を問わず人間として生きることができる社会を構築する必要性や、その前提としてジェンダー研究が果たす役割の重要性を感じた。

サイエンスカフェ

野口なつき(看護師)