Archive for the ‘マンデーサロン’ Category

谷口由希子准教授「児童養護施設の子どもたちの生活過程 ―子どもたちはなぜ排除状態から脱け出せないのか―」

マンデーサロン 2013年5月27日(月)

講師:谷口由希子准教授(児童家庭福祉論)

テーマ:「児童養護施設の子どもたちの生活過程 ―子どもたちはなぜ排除状態から脱け出せないのか―」

今年から本大学に着任された谷口准教授の研究報告が行われた。
本研究では、貧困の再生産を断ち切るという問題意識のもと、児童養護施設を中心に社会福祉の介入にもかかわらず社会的に排除状態におかれる子どもたちを「脱出(get out)」という独自の概念を用いて捉えている。

実証研究の方法として、個人レベルでの主体形成の過程を子どもたちの生活の過程と捉え、子どもの語りを直接聞くことと援助組織との相互作用を参与観察することで分析している。
発表を聞き、「社会的排除」に対する「社会的包摂」という政策指向とは別の「脱出」という当事者の視点を強調する枠組みが新鮮であった。また、この枠組みが今後の社会福祉研究の発展に大きく寄与する重要なものであることを感じた。
なお、谷口准教授は、本発表のタイトルともなっている著書により「損保ジャパン記念財団賞」を今年受賞された。

下方丈司(本学大学院生)

マンデーサロン

藤田榮史教授「名古屋圏における青少年の自立に関する研究」

マンデーサロン 2013年4月22日(月)

講師: 藤田榮史教授(労働社会学)

テーマ: 研究プロジェクト報告会(3)「名古屋圏における青少年の自立に関する研究」

今回の報告を、現場でこの問題に向き合っている者として、興味深く拝聴いたしました。一般の方々にはなかなか認識されていないサポートステーションについて、評価いただいたこと、大変嬉しく思います。

サポートステーションには、毎日、様々な問題を抱えている方が来所されます。キャリアカウンセラー、臨床心理士がカウンセリングを実施しています が、それだけでは、解決できない問題が多いようです。例えば、ひきこもり経験者やニートとされる方は、長く社会とつながりを持たずにいたことで、本来なら ば得られたはずであろう安心感や、他人からの承認・自己肯定などの経験が少ないのは明らかです。サポートステーションには、そういう方々が社会とつながる きっかけを提供するという役割も必要となります。

また、ご報告にあったように発達障害特性を持った方も多いのですが、精神疾患(うつ病等)の方も一定の割合でいらっしゃいます。一度は就職したもの の、病気のために退職せざるを得なかった方は、再発の恐れを抱きながら、就職活動をされています。そういう方には、福祉領域の支援と連携することで、不安 を少しでも取り除くことができます。

私たちスタッフには、多様な支援ツールを開発したり、支援ネットワークを構築することも求められていると認識して、活動をしています。今年は、新た に学校連携事業も始まりました。中退者や在学生にも対象を広げて支援していこうというものです。サポートステーションに期待されるものが、事業年度を重ね ていくほど大きくなっていくことに、身の引き締まる思いです。

私は、今回のこの報告会に参加させていただいて、「これからも、一人でも多くの方の笑顔を見るために、努力していこう」とあらためて思いました。このような機会をいただき、本当に感謝しております。ありがとうございました。

マンデーサロン

いちのみや若者サポートステーション キャリアカウンセラー 飯田裕子

20130422マンデーサロン

2013年4月23日の中日新聞朝刊で紹介されました。

山田明教授、吉田一彦教授「名古屋の歴史・文化・まちづくりと観光」

マンデーサロン 2013年2月18日(月)

テーマ: 研究プロジェクト報告会(2)「名古屋の歴史・文化・まちづくりと観光」

講 師: 山田明教授(地域政策論)、吉田一彦教授(日本古代史、日本仏教史)

この度は、このような会に参加させていただき誠にありがとうございました。知識の乏しい中学生に対しても気を遣っていただき、わかりやすく且つ興味をもちやすい発表でした。「外から名古屋を見る」という視点に立つ機会の少ない中学生にとって、他の地域と比較する大切さを知り、さらに自分が住んでいる名古屋について改めて考えることで、今後の生活にも大きな刺激を与えることができたと思います。また、市民の方々が自分の街について熱心に学び、将来について真剣に考え議論を重ねる姿も、印象的だったと思います。教員以外の大人が「何か」を学び考える姿に触れるのも初めてで、「勉強へ取り組む姿勢」や「学ぶということは一生続けるものだ」ということを実感できたと思います。普段の学校生活では、「成績を上げる」とか「良い点数をとる」といった目的以外に、遊ぶ時間を割いてまで時間を作り出し、与えられたもの以外に勉強しようとする生徒は、なかなかいません。しかしこの場には、「学びたい」という意欲があふれており、興味深く且つ刺激的な時間を過ごすことができました。私個人としても、働き始めてからこういった「学びの場」に参加する機会が減っておりました。様々なものに触れ、学生時代よりも学習興味の幅が広がっている今だからこそ、これからも積極的に参加させていただけたら幸いと感じています。ありがとうございました。

マンデーサロン

三好伸明(名古屋経済大学高蔵高等学校中学校教諭)

山田明教授、吉田一彦教授「名古屋の歴史・文化・まちづくりと観光」

マンデーサロン 2013年2月18日(月)

テーマ: 研究プロジェクト報告会(2)「名古屋の歴史・文化・まちづくりと観光」

講 師: 山田明教授(地域政策論)、吉田一彦教授(日本古代史、日本仏教史) 

生徒感想

今回、名市大に聞きに行った内容は「名古屋の歴史・文化・まちづくりと観光」というものだった。まず、「観光」という言葉を聞いたとき、「名古屋に観光場所ってあるかな?」と疑問を抱いた。そこで、名古屋に観光名所というものをつくったりするために、2006年4月に「名古屋と観光」プロジェクトというものが立ち上げられたと知りました。このプロジェクトでは、2007年12月12日に中区役所ホールにて約300人の参加者により公開シンポジウム「名古屋の観光まちづくり」を開催し、大きな反響をもたらした。このことについて、「名古屋に観光名所などをつくり、今よりももっとにぎやかになってほしい」という気持ちが伝わり「確かにそうだな」と思うことができた。

講義の1つの題材として、「名古屋に〈少しの〉観光を」というものがあった。そこではまず最初に、名古屋にとって今後、観光の活性化は小さくない課題になると考えると言った。僕は、なぜ観光が問題になるのかと考えたが、その後の話ですぐに理解することができた。「名古屋はものづくり中心とする都市であって、それをガラリと変え、京都や知床のような観光中心の町に180度転換すべきだというのではない。」「名古屋の活動全体の中に「少し」観光という要素を何%かおりまぜるべきである」といった多数の意見を聞くと、「観光は必要なものだ」と思えた。

このマンデーサロンは、最初のうちは「行きたくないなぁ。家に帰りたい」など思っていたが、いざ聞いてみたら「おもしろいな」など思うことができ、すばらしいものだと思った。とてもよいもので、これを聞いて興味がわいた。

(中学1年 男子)

地図や写真などを使って説明していて、わかりやすかったです。名古屋ができた時のこととか、熊本城のこととかが詳しく、よくわかった。名古屋の歴史とかあまり興味がありませんでしたが、お城の写真とか面白いなと思いました。

(中学2年 女子)

名古屋のこととか全然知らなかったのですが、「徳川家康がど田舎をどっさり移動させ、名古屋城をたてた」などの難しい話が分からないこともありましたが、中学生にもわかりやすく説明していただき、笑いも入りながら楽しく気兼ねなく居ることができました。名古屋のこと、あまり考えていなかったのですが、少し考えるようになりました。「昨日、名古屋城に行った」など、とても真剣に取り組んでいてすごいと思いました。それから、講義するところの椅子がとても座り心地がよかったです。

(中学2年 女子)

 

講師の方が、飽きさせないように面白く説明をしていただき、「中学生がいるから」とわかりやすく説明してくださいました。熊本城と名古屋城といった遠いものを比べる理由が、最初よくわかりませんでした。 本丸御殿の写真がすごくきれいで美しかったです。行ってみたいと思いました。「名古屋に〈少しの〉観光」ということに、ものづくりの町だけだとつまらない気がするので、〈少し〉でなく〈たくさん〉の観光を入れてほしいと思いましたが、それは逆につまらなくなるのかも・・・とも思いました。

(中学2年 女子)

 

2006年からこのプロジェクトができていたことにびっくりした。シンポジウムも大きなホールで行われて大きな反響があった・・・と聞いてすごいと思った。また、7年間も続けていることもすごいと思う。河村市長の減税政策や天守閣の完成・焼失・再建など、知らないことをたくさん聞けた。「自ら歴史・文化を理解することが、より深く町を愛する一つの要因となる」という言葉が印象に残った。

(中学1年 男子)

マンデーサロン

土屋勝彦教授・田中敬子教授・山本明代教授「世界文学におけるオムニフォンの諸相」

マンデーサロン 2013年1月29日(月)

講師: 土屋勝彦教授・田中敬子教授・山本明代教授

テーマ: 研究プロジェクト報告会(1) 「―シンポジウム「世界文学におけるオムニフォンの諸相」について」

オムニフォンとは、「あらゆる言葉が同時に響き渡る言語空間」において、言語的コミュニケーションの中枢となる規範言語に抗い、少数言語に隠された文学的機能をすくいあげるという意味がある。質疑では、少数言語が母語を超える「揺らぎ」の可能性についての議論が主なトピックとなった。方言や土着の言葉で書かれた芸術作品に触れた際、一種のノスタルジアを感じたり、その異質性からエキゾチシズムを掻き立てられたりといった経験は、誰しもあるだろう。それが一種の「揺らぎ」であり、社会化の過程で失った、言語を介さないコミュニケーションに基づく世界との一体感への、母体回帰のような感情へ結びつく。

「少数言語」は、あらゆる感情を伝える可能性を秘めた文節不可能なツールとしての「声」と、文法、発話、理性的構成などのルールを無視すれば即、理解不可能に陥るもろさをひめた「規範」との、いわば中間の領域にある。失われつつあるマイノリティとシンクロしようとする文学的試みは、現在の「われわれ」を形作る源となった「根源」を遡上し、「いま」を知る可能性へと繋がる。それは「退行」ではなく、新たなアイデンティティのあり方を見つける可能性へ向かって開かれているといえよう。

山尾 涼(同研究科研究員)

マンデーサロン