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菅原真准教授「外国人は憲法上『市民』の権利を持っているか?―フランスにおける最近の憲法院判例・憲法学説を素材に」

第18回 マンデーサロン 2008年11月17日(月)

テーマ: 「外国人は憲法上『市民』の権利を持っているか?―フランスにおける最近の憲法院判例・憲法学説を素材に」

講師: 菅原真准教授マンデーサロン

今回は本研究科・菅原真准教授が「外国人は憲法上『市民』の権利を持っているか?―フランスにおける最近の憲法院判例・憲法学説を素材に」と題し報告した。レジュメと各種資料にもとづき、1789年の人権宣言と略称されている人および市民の権利宣言などにより、「人」と「人権」、「市民」と「市民権」についての規定を行う。近代国民国家における「国籍」と「市民権」のあり方、フランスの共和主義的伝統による「公的領域からの外国人の排除」をあとづける。そしてグローバル化にともなう共和主義的伝統の「揺らぎ」、憲法改正によるEU市民の権利の憲法典への挿入とその効果、新しい市民権について問題提起した。法学者らしい憲法上文や憲法院判例、憲法学説を素材にした緻密で興味深い報告であった。
10月に赴任した菅原さんの「お披露目」ということもあり、学部生を含め20名の参加があり、30分余りにわたり活発な質疑が行われた。外国人の権利、市民権のあり方について、これまでの「共生」研究などと関わらせて今後とも議論していきたい。

山田明 (同研究科教授)