石川洋明教授「子どもの虐待を防ぐ」
金曜日, 6月 26th, 2009第25回 サイエンスカフェ 2009年6月21日(日)
テーマ: 「子どもの虐待を防ぐ」
講 師: 石川洋明教授
梅雨の中休みの午後、「カフェ・グラシュー」には20名ほどの受講生が集まった。小学校教諭をしている妻から、しばしば「児童虐待」の生々しい実例を聴かされている私にとって、今回のテーマは実に興味深いものであった。
「いつから子ども虐待が問題になったか」という、「子どもの虐待」の歴史的経緯の説明から始まった今回の講義は、有名な「メアリー・エレン事件」(1874年・ニューヨーク)の概略説明へと移行し、やがて20世紀後半の「子ども虐待防止ルネッサンス」の話題へと推移した後、主に日本の抱える現状と課題の提示、そして打開策についてのテーゼへと深化した。
今回の「サイエンスカフェ」における講義も、石川先生の豊富な国内外でのフィールドワーク経験を背景にしたものであり、ある事例や事象に対して先生自身が「実感」した感触と、それに基づいて構築された虐待防止のための理論的裏付けとが、絶妙のバランスを有し確実な説得力を帯びていた。
殊に「子ども虐待支援の層構造」についての説明は、明解にして肝要なポイントを押えたものであり、参加者が深く頷く姿が印象的であった。加えて「貧困と子ども虐待」の説明においては、「貧困の閾値」について解説した後に、日本の現状を語るという道筋を踏んだせいか、日本の抱える現状が予断を許さないものであることを強く印象付けられる結果となったように感じている。
最後に石川先生の研究方法が、理論社会学の確かな裏付けを基にしたフィールドワークであることを、改めて認識させられる講義であったことを付言したい。
太田昌孝(同研究科博士後期課程)
6月13日(土)14時より、ミシガン州立大学(ジェームズ・マディソン校)のアンナ・ペグラー・ゴードン先生の講演会が1号館1階会議室において開催された。今回、ペグラー・ゴードン先生は、日本アメリカ学会とアメリカ歴史家協会(OAH)の2009年度短期滞在研究者派遣プログラムによって来日され、本学人間文化研究科が受け入れ先となった。講演会は「写真からみるアメリカ合衆国の移民政策1875-1930年(In Sight of America: Photography and U.S. Immigration Policy, 1875-1930)」と題し、本研究科のアメリカ文化研究会と名古屋アメリカ研究会の主催、人間文化研究所の後援により、研究者だけでなく市民の方々にも理解いただけるように日本語の通訳を交えて行われ、合わせて49名の参加者を迎えた。