Archive for 10月, 2008

伊藤泰子さん三浦義章先生を偲んで 「聞こえない人のアイデンティティ」

第17回 マンデーサロン 2008年10月20日(月)

テーマ: 三浦義章先生を偲んで 「聞こえない人のアイデンティティ」

講師: 伊藤泰子さん(人間文化研究科博士後期博士課程)

マンデーサロン

10月20日(月)のマンデーサロンでは、大学院人間文化研究科博士後期課程の伊藤泰子さんの「聞こえない人のアイデンティティ」と題した報告と質疑が行われた。
報告はdeaf(聾者)とDeaf(ろう者)、医学的障害者と社会文化的違いを持つ人の違いから、聾者(ろう者)社会と聴者社会の関係を4つに分け、理想的アイデンティティについて見解が示された。パワーポイントを使った報告後、9月21日に放映されたNHK・ETV特集「手の言葉で生きる」のビデオを使い、手話と人工内耳装用などについて問題が具体的に提起された。報告やビデオ映像の際には、パソコンによる文字情報も流され、聾者への「情報提供」をまじかに見ることができた。質疑では聞こえない人のアイデンティティや手話言語、人工内耳などをめぐり意見交換が行われた。

今回のサロンは、この8月に急逝された本研究科の三浦義章先生を偲んで企画された。報告者の伊藤さんは三浦先生から直接指導を受けて、今回の報告論文などをまとめたという。サロンには三浦先生の奥様をはじめ、学外からも多くの方が参加され、全体で22名の参加者があった。

山田明(同研究科教授)

山本明代准教授 「ハンガリー文化の魅力を探る」

第17回 サイエンスカフェ 2008年10月19日(日)

テーマ: 「ハンガリー文化の魅力を探る」

講師: 山本明代准教授

サイエンスカフェ10月のサイエンスカフェは「ハンガリー文化の魅力を探る」という題で、山本明代先生による講義が行われた。最初に、ハンガリーの文化、歴史、地理的条件などが、写真や地図を用いて紹介され、その後、名古屋市立大学の提携校の一つである、ペーチ大学のあるペーチ市について詳しく説明がなされた。

ハンガリーの首都ブダペシュトから南へ180キロ、人口約15万6千人の中堅都市が、文化的にも、経済的にも発展し、独自の生活様式と文化の多様性を持つに至った歴史的経緯が、分かりやすく展開された。ハンガリーと言えば、首都ブダペシュトを最初に思い起こし、実際、それ以外はほとんど親和感のなかった私たちにとって、北・西・南からの文化の交流の土地であり、多元的な民族と文化と価値観を持ったペーチ市は、非常に魅力的に映った。

講義の後は、積極的な質疑応答がなされ、参加者の一人から「是非、ハンガリー語を聞いてみたい」という突然のリクエストに、山本先生がハンガリー語で自己紹介を披露する一幕もあり、参加者から拍手が起こっていた。学ぶことは面白い。知ることは楽しい。参加者の積極的に学ぶ姿勢に、大いに影響を受けた。

野田いおり (同研究科博士前期課程)