Archive for 2月 10th, 2007

村井忠政教授「外国人労働者受け入れの日本型モデルを求めて~少子高齢化と人口減少社会にどう対処すべきか~」

マンデー・サロン 2007年2月5日(月)

テーマ:「外国人労働者受け入れの日本型モデルを求めて~少子高齢化と人口減少社会にどう対処すべきか~」

講師: 村井忠政教授

マンデーサロン2月5日、この二年間人間文化研究所の所長をお務めいただいた、村井忠政先生最後のマンデー・サロンが開催された。いつもとは異なり、場所を大会議室に移して、OHPを使っての講演が始まった。時折ユーモアを交えながら、多文化共生についての最新の研究動向が非常にわかりやすく紹介されていく。さすが!

タイトルは、「外国人労働者受け入れの日本型モデルを求めて~少子高齢化と人口減少社会にどう対処すべきか~」という、わが国にとっての喫緊の課題だ。しかし、このタイトルとは打って変わって、村井先生は外国人労働者の安易な受け入れに反対のようだ。それは、経済的理由を優先することによる負の側面として、解決しがたい人権問題がつきまとうからである。多文化共生の課題は人権問題であるという主張が幾度となく繰り返された。そして、過酷な生活を余儀なくされる外国人労働者の子どもたちが、十分な教育を受けられるようにする必要性があるとの言に力がこもった。ここには、先生が多文化共生にかける想いがよく現れている。「いまここにある危機」としての多文化共生という課題。その克服こそが将来の外国人労働者受け入れの試金石だということなのだろう。少なくとも私はそのように理解した。マンデーサロン
もう間もなく村井先生は名古屋市立大学を去られる。しかし、村井忠政氏個人のプロジェクトは始まったばかりである。あの人懐っこくも鋭い目が、僕たちにそう語りかけていた・・・。

 

小川仁志(同研究科博士後期課程)