「日本の移民問題を考える会」(略称:移民研究会)

「市民学びの会」新学習サークルの紹介
「日本の移民問題を考える会」(略称:移民研究会)

安倍内閣は多くの有識者の反対にもかかわらず、昨年12月大急ぎで出入国管理法(入管法)を改正し、多くの課題や制度上のあいまいさを残した中で、今年4月1日から新制度をスタートさせました。同日入国管理局が格上げされ、法務省の外局として出入国在留管理庁(入管庁)が発足し、長官の人事も決まっています。今回の法改正は少子高齢化に伴う深刻な人手不足を少しでも解消するのが狙いで、これまで認めてこなかった単純労働者の在留資格(特定技能)を新設し、実質的な永住に道を開く内容となっている。これによってわが国政府は、「移民」は受け入れないと言い訳をしながら、外国人労働者の大量受け入れに踏み切ったことになります。

わが国の入管法の基本方針は「高度の専門職人材についてはこれを積極的に受け入れるが、非熟練のいわゆる単純労働者については原則として受け入れない」というものでしたが、今回の入管法改正によって従来の入管法の方針は大きく転換され、わが国は事実上欧米並みの移民国家の仲間入りを果たすことになったのです。このようなわが国の移民政策の根本的な変更は、当然のことながら各界に大きな反響を呼び起こしており、多くの新聞・雑誌で外国人受け入れをめぐる特集が組まれ、関連する単行本も続々と刊行されつつあります。

外国人労働者(移民)の受け入れをめぐるわが国の新聞・雑誌などメディアの論調は反対意見が主流を占めていますが、一部には積極的開国論も見られます。賛否いずれの立場をとるにせよ、「人手不足の解消」というその場しのぎの議論ではなく、少子高齢化と人口減少という深刻な問題に直面しているわが国の将来のあるべき姿をしっかり見据え、「日本型の移民政策」はいかにあるべきかを本腰を入れて検討することが今こそわが国に求められているのではないでしょうか。

 本学習サークルでは、上に述べたような問題意識から出発し、これまで多くの外国人労働者を地域住民として受け入れてきた地方自治体はどのような「多文化共生施策」に取り組んできたか、その結果どのような政策課題が未解決のまま残されているかについて勉強します。そこで明らかになった問題点を踏まえ、わが国の移民政策はいかにあるべきかについて皆さんとともに考えてみたいと思っています。その際に参考となるのは言うまでもなく移民先進国の経験です。具体的にはアメリカ・カナダ・オーストラリア、ヨーロッパのイギリス・ドイツ・フランス、さらにアジアのシンガポール・韓国・台湾などの国々です。

毎回担当者(村井)がプリントを配布して説明したあと、参加者全員によるフリートークという形式で学習会を進めていきます。資料代として毎回300円を徴収させていただきます。

日時:毎月第1金曜日(14:00〜16:00)を定例としますが、都合で変更されることがあります。
場所:704セミナー室[名市大滝子キャンパス1 号館7階(エレベータで最上階にあります)]
定員:セミナー室の収容能力の関係で10名程度に制限させていただきます。
顧問:阪井芳貴(名市大大学院人間文化研究科教授)
担当:村井忠政(名市大名誉教授)
*参加希望者は6月4日(火)までに下記の村井のメールアドレスまでお申し込みください。
t.samurai1984(アットマーク)live.jp