村井忠政 執筆紹介 ーメルティングポット

プロローグ

アメリカは白人中心の国ではなくなるのか

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第1章
育ての母(アルマ・マーテル)の広い膝に抱かれてアメリカ人は生まれた

──クレヴクールが描いた先駆的〈メルティングポット〉

ヨーロッパからの移民たちは、アメリカという偉大な育ての母アルマ・マーテルの広い膝に抱かれることで、アメリカ人という「新しい人種」として生まれ変わる。クレヴクール

ではアメリカ人、この新しい人間は、何者だろうか。クレヴクール

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英字新聞を読む会 2023年活動報告

英字新聞を読む会は、日ごろから英語が好きで読解力や会話力の維持・向上を願っている方が、独学ではおのずと限界があるものの、グループで英字新聞を読み合わせることにより切磋琢磨し、世界の政治・経済・文化などの動きをより広く深く理解していくことを狙いとしています。

新型コロナが蔓延するまでは名古屋市立大学人文社会学部棟506セミナー室に集まり、毎月第4土曜日の14時から2時間程度実施していましたが、コロナを機にZOOMによるオンライン会議に切り替えて実施しています。輪番で各月の担当者が英字新聞(NYタイムズ、ウォールストリート・ジャーナルなど)の記事を選び、それをメールで会員に配信したものを、例会当日にその内容について順番に翻訳していき、日本語でディスカッションをして理解を深めます。現在の会員は10名程度です。

2023年1月21日には、英字新聞を読む会の15周年記念パーティーがドイツ・レストラン「ツァー・ディーレ」にて開催され、20名が参加して15周年記念誌の披露とともに、コロナで長い間会えないでいた会員同士の懇親をはかることができました。

2023年に読んだ新聞と題目は下記のとおりです。

1月

Climate Change Will Destroy Arabs and Israelis Before They Destroy Each Other……NYT

We Need Fusion Energy to Advance Our Climate Endgame……NYT

2月

Microsoft to Lay Off 10,000 Workers as It Looks to Trim Costs……NYT

Five Rules for an Aging World……NYT

3月

How Russia’s 35-mile armoured convoy ended in failure……BBC

4月

China’s billionaire population drops: super rich suffer as stock losses, yuan depreciation knock 229 off Hurun Global Rich List……South China Morning Post

5月

Why King Charles III Will Be Worth the Wait

6月

Henry Kissinger Surveys the World as He Turns 100……WSJ

7月

The Tearful Executive Who Tapped the Brakes on Electric Cars at Toyota……WSJ

The inconvenient truth that haunted Indian Prime Minister Modi’s White House visit……Los Angeles Times

8月

The ChatGPT Lawyer Explains Himself…….NYT

Here’s What Happens When Your Lawyer Uses ChatGPT…….NYT

9月

How Do We Manage China’s Decline?……NYT

The Problems With China’s Economy Start at the Top……NYT

10月

Is China’s Economic Predicament as Bad as Japan’s? It Could Be Worse……WSJ

Canada: How ties with India soured over Hardeep Singh Nijjar killing……BBC

11月

What China wants from Israel-Hamas war……BBC

Why Indians are debating a 70-hour work week……BBC

12月

Yahya Sinwar: Who is the Hamas leader in Gaza?……BBC

2023年度「市民学びの会」活動報告

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられたのが2023年5月、それを受けて、「市民学びの会」の各サークルも徐々に対面活動を再開していきました。名古屋市立大学を退官された阪井芳貴先生が長年続けてこられた「沖縄文化研究会」が、新サークルとして当会に加わってくださったことは、私たちにとっても新たな刺激となっています。

コロナで開催を見合わせていた総会も、10月1日に名市大病院内「サクラサイドテラス」において「第14回総会・懇親会」として開催しました。各サークル代表者による活動報告では、アユチ雅楽会・八雲琴の会会員による古楽器の演奏などもあり、メンバーも興味津々でした。飲食をともにしながらの交流は大いに盛り上がり、新聞等での告知による市民の参加も得て新たな会員増加にもつながっています。

肉体的な老いに抗うことは困難ですが、精神的な老いは本人の意識的な行動で遠ざけることが可能でしょう。『学ぶこと』はそのための最も有効な手段のひとつではないでしょうか。人生100年時代における「市民学びの会」の存在意義もそのあたりにあるのでは、と会員の皆さんにお会いするたびに実感しています。

「市民学びの会」代表理事  重原厚子

大衆社会論研究会活動報告(2023年度)

大衆社会論研究会活動報告(2023年度)
市民学びの会「大衆社会論研究会」はコロナ禍のなかオンライン研究会を2020年5月に立ち上げた。メンバーは村井忠政(ホスト)の他、黒川伸也、藤井洋一郎、川瀬智弘、牧真吾である。月1回の例会では、各会員が順番に報告担当者を務め、レジュメをもとに報告、その後全員による討論という形式をとっている。これまでに使用したテキストは、オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(ちくま学芸文庫)、F・パッペンハイム『近代人の疎外』(岩波新書)、宇野重規『保守主義とは何か――反フランス革命から現代日本まで』(中公新書)である。2022年1月からはE・H・カー『歴史とは何か』(岩波新書)に取りかかり、同年9月に終了している。ここでは『歴史とは何か』の読後感を述べてみたい。

イギリスの歴史家E・H・カーの本書はいうまでもなく歴史研究入門の古典中の古典である。わたしが本書を読んだのは大学入学後まもない時期であった。正確な時期や印象などについては記憶がおぼろになっているが、学部学生の一年生の時に読んだときは、一通り分かったような気がしたことは覚えている。それでも、「歴史は現在と過去の対話だ」という有名な言葉はその後も私の頭の片隅に残っていた。本書は講演がもとになっているので、語り口の平易さもあって、一通り分かった気になっていた。今回研究会でテキストとして講読したときには、かつての理解が実のところはきわめて不完全なもので、若い頃の理解はずいぶん「浅い」ものだったなと痛感させられた。

本書の具体的内容についてここで立ち入ることはできないが、わたしの心に強い印象として残っているのは、筆者のカーは高名な歴史家ではあるが、狭い歴史学の枠に収まることなく、歴史研究の枠をはみ出すような社会科学や哲学などさまざまな学問分野への言及が本書のあちこちでなされていることに驚きを禁じ得なかった。特に私の専門である社会学にも造詣が深いことが行間から読み取れ、自己の狭い専門以外の領域についても目配りがなされていることに感銘を受けた。
最後に、本書の読後感としてどうしてもここで皆様にお伝えしたいことがある。それは本書が一見一般読者向けの歴史学の入門書のように思われるかもしれないが、今回じっくり読み込んでみて「これは意外に難解で手ごわい」という思いをさせられたということである。たとえば、「歴史的事実とは何か」というテーマ一つをとってみても、きわめて深い考察がなされており、読めば読むほど「何が歴史的事実なのか」がわからなくなってしまうのである。というわけで、ご関心のある向きには是非一読されることをお勧めしたい。

【文責:村井忠政】

哲学サークル 1年間の開催実績

1月 トマス・ホッブス「リヴァイアサン」
2月 「現代中国」を考える
3月 「忿怒からの逃走」啄木と非啄木化の軌跡
4月 トクヴィル「アメリカのデモクラシーI」
5月 トクヴィル「アメリカのデモクラシーII」
6月 「老子」の処世訓
7月 サルトルの「実存主義」
9月 アルベール・カミュ
10月 トクヴィル「アメリカのデモクラシーIII」
11月 内村鑑三「代表的日本人」西郷隆盛
12月 良寛和尚 曹洞宗僧侶

運営方法
参加者が担当月に各自でテーマ選定 ⇒ テキストの作成 ⇒ 教室で講義 ⇒ テーマについて討論
⇒ 議事録の作成 ⇒ 担当教授へ送付報告
思想史的な構造連関、東洋思想・西洋思想の歴史に基づく哲学的教養を養成すべく淡々と継続開催している。

代表 西脇一成

「俳句をつくり語るサークル」紹介

「俳句をつくり語るサークル」
市民学びの会の一サークルとして発足してから2024年3月で満十年を迎える。俳句グループには「ホトトギス」とか「春耕」とか「伊吹嶺」と称するものが全国に数百あり活動している。市民学びの会のサークルはどの団体にも属さず作者の気持を具体的に表現することに重きを置いている。五七五の有形と季語を前提としている。

運営:月一回(第二土曜日)対面方式の二時間
五句投句(うち一句は兼題)
現在六名のメンバーの計30句につき各人6句を選び感想を述べる。その上で皆で全部の句について議論する。この形式で運営しているため定員は十名が上限としている。

2023年12月句会でのメンバーの句
  • 合掌家の軒に五段の柿すだれ
  • 病室に若き母の死銀杏散る
  • 糸電話ぷつりと切れて山眠る
  • やはらかき春菊抜き菜汁の実に
  • 風に舞ふ銀杏黄葉を子ら追へり
  • 銀杏散る十石舟の船着場

世話人 山下善久

【お知らせ】2023年10月1日[日] 「市民学びの会」 第14回 総会・懇親会

「市民学びの会」 第14回 総会・懇親会を開催いたします。

日 時:2023年10月1日[日] 14:40 受付開始
● 総 会 15:00 ~ 15:15
● 懇親会 15:15 ~ 17:30

会場:サクラサイドテラス
名古屋市立大学 桜山キャンパス 西棟 1 階
地下鉄[桜山] 3番出口
病院内工事のため通路に沿って西棟入口へ

参加費
● 会 員 の 方 無 料 申込必要 事前に所属サークル代表者まで。
● 非会員の方 500 円 申込不要 当日受付にてお支払いください。

2022年度「市民学びの会」活動報告 

「市民学びの会」は2007年の設立以来、着実に活動の幅を拡げ、14学習サークルを数えるまでになりました。ところが2020年の新型コロナ発生により活動制限を余儀なくされ、現在は「「英字新聞を読む会」「西洋史研究会」「大衆社会論研究会」「俳句サークル」「ドイツ語初歩」の4グループがZOOMによるオンライン活動を続けています。また「アユチ雅楽会」は、「催馬楽桜人保存会」と連携して第68回名古屋まつり 郷土芸能祭にて、奏楽をおこなうなど活動を継続しています。  

コロナ禍も3年目となり、政府のコロナ対応も大きな転換期をむかえようとしていますが、 

高齢メンバーも多い「市民学びの会」としては、状況を見ながら対面活動の再開を判断するしかありません。我々理事一同も定期的に理事会を開催し、各サークルの活動報告を受け、情報交換を図りながら、再びみなさんと名市大で学ぶ日を心待ちにしています。 

                                 「市民学びの会」理事代表  重原厚子 

英字新聞を読む会」活動報告・15周年記念事業 

「英字新聞を読む会」は、現在実動10名程度で、月1回名古屋市立大学人文社会学部セミナー室で会合を開いていましたが、新型コロナウィルスのため2020年7月からはZOOMオンラインで開催しています。輪番で月1回ニューヨーク・タイムズなど外国の英字新聞の記事を選び、それをEメールで会員に配信したものを例会当日にその内容について順番に翻訳していき、記事の内容や背景について日本語でディスカッションして理解を深めます。グループで読み合わせてディスカッションすることにより、世界の政治・経済・文化・環境などの動きを日本とは違った視点でより広く深く理解することができると思います。 

この会は日木教授を顧問に戴き、2007年11月にスタートして以来今年で15周年を迎えました。15周年を記念して記念誌を作ろうということになり、日木先生を始め会員の皆さんから寄稿をいただき、またこの会を15年前に立ち上げていただいた河面さんからの創立から最近にいたるまでのエピソードや写真も記載されています。この他にも会の運営要領やこれまで取り扱ってきた記事の5年分のリストが載せてあります。 

2023年1月21日には、15周年記念パーティーがドイツ・レストラン「ツァー・ディーレ」にて15周年記念誌の披露とともにコロナで長い間会えないでいた会員同士の懇親をはかりました。

 

 

大門正人 

英字新聞を読む会 顧問日木教授と設立者河面氏

哲学サークル2022年度活動報告

活動内容: 2008年「市民学びの会」が設立されて以来、「人生の真理を明らかにしよう」と東洋思想、西洋思想、現代政治とそれらの歴史を中心に学習に励んできました。
コロナ禍では2年ほど休会し、通信のみの連絡となりましたが2022年7月より活動を再開しました。7月はウクライナ紛争下「民主主義の危機」について討議を行いました。

9月はユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」を中心に人類の営為と環境問題。
10月は西洋思想からロック・ルソーの自然権の思想と歴史考察に基づく民主主義の討議。並びに東洋思想である老子の思想について講義と討議を行いました。
明けて1月はトマスホッブスの「リヴァイアサン」の講義と戦争をなくすべき議題の討議。

メンバーは8名です。各自が自由に興味ある話題を提供し運営しています。

哲学サークル代表 西脇