「ドイツ語初歩」学習サークルが始まります。
活動内容:ケストナー著『Email und die Detektive (エーミールと探偵たち)』を読みながら、文法書『必携ドイツ文法総まとめ』で、文法の基礎を学んでいく。
日時:毎週第2水曜日 14:00~16:00
場所:519号室(1号館5階)
顧問:別所良美教授
担当・連絡先:寺岡信之
nobuyukiteraoka(アットマーク)gmail.com
052-852-5210
「ドイツ語初歩」学習サークルが始まります。
活動内容:ケストナー著『Email und die Detektive (エーミールと探偵たち)』を読みながら、文法書『必携ドイツ文法総まとめ』で、文法の基礎を学んでいく。
日時:毎週第2水曜日 14:00~16:00
場所:519号室(1号館5階)
顧問:別所良美教授
担当・連絡先:寺岡信之
nobuyukiteraoka(アットマーク)gmail.com
052-852-5210
太平洋戦争終焉後、連合国側から裁かれた東京裁判(極東国際軍事裁判)は様々な課題を残しました。
今シリーズは裁判で争われた諸事件、事変他をもう一度学びなおしてみたく思っております。
テーマとしては、満州事変、満州国建立、盧溝橋事件、南京事件、三国同盟、宣戦布告問題…他 です。
本年8月29日(水)より来年3月まで月一回(但し、9月は休講)7回開催を予定しております。
時間は10:40~14:10です。教室は毎回正門でご案内致します。
ご興味ある方は、ぜひご参加くださいませ。ご連絡は門池までどうぞ。
daian456@yahoo.co.jp
電話:09089505777
今年度市民学びの会総会では、「持続可能な未来のためのパラダイムチェンジとベーシックインカムを考える」と題して、名古屋市立大学の別所良美教授による講演がなされた。別所教授の専門は社会哲学で、とりわけドイツの哲学者・社会学者で公共性論やコミュニケーション論で知られるユルゲン・ハーバーマスの研究に取り組んでこられた。別所教授はこれまでに大学院人間文化研究科長や人間文化研究所長などの要職を歴任され、学部・大学院の運営と並んで、ESD(持続可能な開発のための教育)研究に学部をあげて取り組むなど、研究活動の面でもリーダーシップを発揮されている。
本講演のテーマは、大きく分けて次の三つの柱に分けることができる。第一の柱は「ベーシックインカムとは何か」、第二の柱は「持続可能性をめぐる諸問題について」、第三の柱は「持続可能な社会のビジョン=「第三次産業革命」について」である。これらの柱で取り上げられるテーマは、そのいずれも私たちにとってきわめてアクチュアルな問題である。
本講演の表題には「パラダイムチェンジ」というタームが掲げられていることに注目してほしい。その意図するところは、われわれ人類が信じて疑わなかった資本主義的市場経済の下での無限の成長というイデオロギーからの脱却(すなわちパラダイムチェンジ)をはかり、再生可能エネルギーを基盤とした経済活動によって、地球エコシステムの循環の限界内で豊かさと幸福を発展・開発する社会(すなわち持続可能な社会)を目指すことなしに人類の未来はないとの警鐘にほかならない。
第一の柱は、近年わが国でも注目を集めつつある「ベーシックインカム(無条件基本所得)」をめぐるものである。「ベーシックインカム」がにわかに注目を集めている背景には、 AI(人工知能)やロボットなどのテクノロジーが飛躍的な進化をとげることにより、近い将来人間の労働が機械(ロボット)に置き換わることで失業が急増するとの予測がある(ジェレミー・リフキン著『大失業時代』)。しかしながら、機械化によって人の仕事がどのていど奪われるかについては、正確な予測は困難であり未知数の部分が多い。とはいっても、現在私たちが従事している仕事のかなりの部分が近い将来機械に取って代わられることはまちがいないと考えた方がよさそうだ。オックスフォード大学の研究チームによると、今後十〜二十年間に、アメリカの総労働人口の五割弱が機械に置き換わる可能性があるという。その中には、製造業などの単純労働だけでなく、銀行員、ファイナンシャル・アドバイザー、コンサルタント、法律家といった知的労働(専門職)も含まれているというから驚きだ。私たちはどんな仕事で稼ぎ、政府は社会保障制度をどう維持したらよいのか。この問いに対する答えとしてヨーロッパ諸国で浮上してきたのが「ベーシックインカム」という概念であり、これまでにいくつかの国や自治体ですでに実験的な試みがなされている。
「ベーシックインカム」とは、「無条件の基本所得」(Unconditional Basic Income)であり、「政治共同体(政府)が保障する普遍的な社会的人権」と定義される。生活保護などの社会保障と違って「貧困対策」ではないため、給付条件はなく誰でも「無条件で」もらえるということになる。この制度のメリットは、「無条件」で支給することによって社会保障制度をシンプルにし、行政上のコストを削減するところにある。さらに「無条件」で支給されるために受給者に「政府からの施し」というスティグマ(劣等感や負い目)を感じさせないという利点もある。要するに、社会によって存在と所得を保障されることによって、個人は自由で創造的な活動を行うことが可能になるというわけだ。しかし、最大の問題は財源をどうやって確保するかである。わが国における「ベーシックインカム」の導入に関しては賛否両論あり、今後の動向を注目したい。
第二の柱は「持続可能な社会とは何か」である。一九七二年にローマ・クラブが『成長の限界』を公表したとき、世界の人々は大きな衝撃を受けた。現状が続けば、人口増加と地球環境の破壊、さらには資源の枯渇などで、人類の成長は限界に達するという警鐘が鳴らされたのである。今でこそ、有限な地球、地球温暖化などさまざまな言葉が飛び交っているが、その起源はすべてこの『成長の限界』にあった。「持続可能」(sustainable)という概念自体も、これがきっかけとなって定着していったことにまちがいはない。『成長の限界』の 四〇年後、著者の一人、ヨルゲン・ランダースが『二〇五二 今後四〇年のグローバル予測』を発表した。本書は「ローマ・クラブの警告にもかかわらず、人類は十分な対応を行わないまま四〇年が過ぎてしまった」という危機意識から発している。「問題の発見と認知」には時間がかかり、「解決策の発見と適用」にも時間がかかる。そのような遅れは、ランダースが「オーバーシュート(需要超過)」と呼ぶ状態を招く。オーバーシュートはしばらくの間なら持続可能だが、やがて基礎から崩壊し、破綻する。
それでは、このような地球環境の危機(崩壊)から脱出するための具体的なビジョンをわれわれはどこに求めたらよいのだろうか。この問いに対する回答を示しているのが本講演の第三の柱、すなわち「持続可能な社会のビジョン」であり、それはジェレミー・リフキンの『第三次産業革命』で展開されたビジョンである。この著書でリフキンは、過去二回の産業革命の歴史から証拠を引用し、それに関連する出来事をプロットし、そこから未来を構想していく。さらに本書では、化石燃料や原発に依存した中央集権的な体制から、自宅で再生可能エネルギーを使って発電し共有するエネルギーの民主体制への変換をテコにして政治、教育、経済の新たなパラダイムシフトをめざすというビジョンが大胆に展開されている。
リフキンによれば、「インターネットという新しいコミュニケーション手段」に「再生可能なエネルギー」が結びつくことで第三次産業革命は起こる。周知のように、ドイツのメルケル政権はリフキンを政策ブレーンに招き、脱原発をはじめとして中央集権型から分散・水平型のネットワーク社会へ向けてパラダイムシフトに踏み切っている。この革命に成功した未来社会は次のようなものになると予想される。再生可能エネルギーを建物や家が生み出し、余った電力の一部を水素として貯蔵し、天候不順などへ対応する。各家庭やビルで生産された電力は効率化された配電網を活用して売買される。再生可能エネルギーを活用したプラグイン充電式や燃料電池式の車両で移動し、各地に配置された充電ステーションで充電する。これが第三次産業革命で生まれる物語の大筋である。過去の産業革命のプロセスを考慮すると、移行期間は半世紀ほどかかると予測されている。
リフキンは、資本主義の原理に基づいて生産性を極限まで最適化すると、モノを生産するためにかかるコスト(限界費用)が限りなくゼロ(無料)に近づくはずであり(リフキン著『限界費用ゼロ社会』)、そうした社会が実現すると資本の動きが発生しなくなるため、資本主義が成立しなくなってしまうという矛盾を指摘している。それにともなって資本主義は縮小し、資本主義市場でも政府でもない、シェアの意識に基づいて共同する自主管理活動の場「協働型コモンズ」が台頭しつつあるとの予測がなされる。
最後に、今回の講演における別所教授のパワーポイントを駆使してのプレゼンテーションは詳細かつ広範にわたるものであり、私としては大いに啓発されるところがあったことを申し添えてむすびの言葉としたい。
(村井忠政名古屋市立大学名誉教授)
日時:平成30年6月16日(土)14:00〜16:00
場所:名古屋市立大学滝子キャンパス 1号館201号室
参加費:無料(お気軽に参加してください)
»6月16日(土)総会記念講演「持続可能な未来のための パラダイムチェンジとベーシックインカム(無条件所得)を考える」ご案内チラシ
近年、「持続可能性」という言葉が氾濫しています。国連が2015年に発表した「持続可能な開発計画SDGS」が各国の政策に影響を与えていますし、少子高齢化による労働人口の減少が引き起こす日本経済の持続不可能性を克服しようとアベノミクスを唱えてきた政府は、近頃、「第4次産業革命」、「超スマート社会(SOCIETY 5.0)」というフレーズでIOTやAI技術の推進をめざしています。他方では、AIが人間から職場を奪うといった懸念が多方面から語られています。まさに混迷した現代社会がどこに向かおうとしているのか(パラダイムチェンジ)を整理し、その中に「ベーシック・インカム」を位置づけてみたいと思います。(別所)
1956年生まれ。ドイツ近現代思想。カント、ヘーゲルなどのドイツ古典哲学とアドルノやハーバーマス等のフランクフルト学派を研究し、現代の民主主義やナショナリズムとグローバリズムについて考えてきたが、最近はそれらの問題を持続可能な社会とベーシック・インカムという視点から考察している。
著書等:共著『戦争責任と「われわれ」』1999年、ナカニシヤ出版。『ESDと大学』2013年、風媒社。論文「ベーシック・インカムから考える少子高齢化社会」2017年、『ジェンダー研究』第19号
名古屋市立大学人間文化研究科連携「市民学びの会」は、自主的な学習サークル活動を中心に行っています。
入会ご希望方は、ご興味のある学習サークル実施日にお越しいただけると幸いです。
見学は大歓迎です。
»2017年6月総会時報告した学習サークルの一覧に担当者の連絡先が記載されています。
大学側の都合により、実施日・教室が変更される場合がありますので、担当者に事前に日時をご確認していただくようにお願いいたします。
※名古屋市立大学の事務所は、「市民学びの会」の申込み・ご質問等に応じられない場合がありますので、お含みおきください。
※スパム防止のためメールアドレスの半角アットマーク@を(アットマーク)と記しております。半角アットマーク@に書き換えてください。
新学習サークル「西洋史研究会」が始まります。皆様の参加をお待ちしております。
内容:手始めにE・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』を読む。
エドワード・ギボン(英国 1737~94)著の『ローマ帝国衰亡史』(1776~)は、初代皇帝アウグストゥスの時代からビザンティン帝国の滅亡までの約1500年を扱う長大な歴史書である。日本語訳としては、古くは村山勇三訳の岩波文庫全10巻があり、さらに中野好夫等訳のちくま学芸文庫全10巻も存在する。
今回このサークルで使用するテキストは、『<新訳>ローマ帝国衰亡史』(中倉玄喜編訳、PHP研究所)で、この書の縮刷版である。英米においても、縮刷版は数多く出版されているようである。
この戦争講座も10年あれやこれや開催しております。おかげさまでリピーターの方が非常に多く好評を頂いております。(門池)
講座「再考、東京裁判」
受講生募集のお知らせ
市民学びの会、戦争シリーズ講座では新講座「再考、東京裁判」を下記要綱にて開催致します。太平洋戦争が終焉し、連合国側は東京裁判として日本の軍幹部、政治家等を起訴し裁定を下しました。その後、いわゆる『勝者が敗者を裁いた』として日本のみならず世界各国でも波紋を呼びました。今回はその東京裁判を皆様と史実を学びながら今一度再考してみたいと思います。多くの受講生をここに募集いたします。講座では講師からの講義だけでなく、質疑応答等に多くの時間を割く予定です。
開講日 :2017年10月25日(水)
以降11/29 12/27 1/31 2/28 計5回
時間 :10時40分~12時10分
場所 :名古屋市立大学滝子キャンパス1号館
教室は未定。担当者がご案内させて頂きます。
住所 :名古屋市瑞穂区瑞瑞穂町字山の畑1
※地下鉄/桜山駅5番より徒歩10分 昭和税務署南隣り
受講代 :4000円(受講代2000円、年会費2000円)10/25当日教室でお支払いください。
主催 :名古屋市立大学人文社会学部「市民学びの会」
講師/担当責任者:門池啓史(大学理事、講師)
※事前の受講お申し込みは必要ございません。お問い合わせは直接講師までお願いいたします。
メール:daian456@yahoo.co.jp
FAX:0594-77-1155
去る5月27日、市大病院内のサクラテラスにおいて、「市民学びの会」の総会と設立10周年記念行事が開催された。市民学びの会は名古屋市立大学より、市民に開放した学びの場を設立したいとの依頼を受けて、主に名市大関係者が中心となって2007年に発足した。発足当初は哲学、移民、戦争、子育て、英語関係の学びのサークルが作られ、主に中高年者が会員となって運営された。その後いくつかのサークルが発足し、現在は10サークルを超えるものとなっている。会員数も延べ200名前後にのぼる。
設立後節目の10年を経たということで、通常の総会の後、10周年記念行事を行った。記念行事として、日本古来の雅楽の会である「アユチ雅楽会」の華麗な奏楽と神楽舞が披露された。その後会員相互の親睦を図ってパーティが開催され、最後にはくじ引きによる景品も全員に渡された。参加者は約50名となった。
村井忠政市民学びの会会長より挨拶の後、通常総会が開催された。総会終了が終わって、伊藤恭彦名市大副学長からのご挨拶を頂いた後、アユチ雅楽会(代表は鬼頭リキ氏)のパーフォマンスが始まる。因みに、雅楽の世界では演奏と踊りのことを演舞とは呼ばず、奏楽と神楽舞と言うとのことである。奏楽と神楽舞を奏でていただいたのは、アユチ雅楽会8名(担当:楽太鼓、龍笛、鳳笙、篳篥、楽琵琶、舞人、歌唱)と名古屋市博物館サポーターMAROの名市大学生6名(担当:催馬楽桜人の歌唱)の総勢14名からの皆さまである。雅楽は、千年以上にわたり受け継がれてきた日本の文化遺産であり、 古くから日本に伝えられてきた歌や舞である。 そして、5世紀から9世紀にアジア大陸から伝えられた舞や音楽が合体して、今に伝わる雅楽の原型になっているとのことだ。
まず、管弦平調音取(かんげんひょうじょうねとり)が演奏された。これは雅楽の演奏楽に先立って行われる一種の「音合わせ」が、芸術的、形式的に高められて奏でられることになったようである。次に管弦平調越殿楽(かんげんひょうじょうえてんらく)が奏でられた。これは雅楽の曲の中で最も有名な曲であり、初詣や結婚式などのおめでたい場面で、耳にすることが多い曲であろう。
二曲目は神楽舞浦安の舞(がくらまいうらやすのまい)が巫女による神楽舞として行われる。浦安は「心が安らか」という意味。昔、日本のことを「浦安の国」といったのは、風土が美しく心安らに暮らせる平和な国であったからとされている。日々の平穏無事、国の平和を祈る舞である。そして最後には、催馬楽桜人(さいばらさくらびと)が奏でられる。催馬楽とは、平安時代に生まれた「謡物/歌物(うたもの)」と呼ばれる雅楽の一つの種類である。『催馬楽 桜人』は、現在の名古屋市南区の桜台、桜本町あたりの歌が都に伝わって雅楽曲になり、平安時代に流行したとされている。『催馬楽 桜人』は、長らく廃絶歌だったが、昭和に入り復興され、現在では、名古屋市の無形文化財に指定されている。
普段なかなか正式な雅楽を見ることの少ないであろう我々にとって、雅楽の服装や伝統楽器による奏楽と神楽舞は大変興味深いものであったと思われる。まさに日本の伝統音楽に酔いしれたひと時であった。
その後、発足当初からお世話を頂いている別所良美人間文化研究所所長からのお祝いの言葉を頂いた後、森正名誉教授から乾杯のご発声を頂き、立食が始まった。日ごろサークル間同士の交流があまり多くはないため、会員皆さまの相互の交流、親睦には大変よい機会となったと思われる。
最後には、くじ引きによる全員の景品贈呈が行われて、河面祥三郎理事によるお開きの言葉により会は終焉した。
文責:「市民学びの会」代表理事 門池啓史
学習サークル活動を行っている会員の交流会を行います
詳細と申込については、各学習サークル担当者にお願いします
日 時:2017年5月27日(土)16:00~18:30
会 場: サクラサイドテラス(桜山 名古屋市立大学病院 敷地内)
会 費: 2,000円 総額(4,000円)のうち半額が当会より補助されています。
プログラム: 第11回 総会 / アユチ雅楽会による演舞 / 交流会(会食)
アユチ雅楽会の活動のお知らせです。
11月6日(日)に、名古屋市博物館講堂で、
やっとかめ文化祭 まちなか寺子屋 「初めての雅楽~名古屋市立大学連携・特別講座~」を行います。
詳しくは「やっとかめ文化祭」のウェブサイトをご覧ください。http://yattokame.jp/terakoya/terakoya15/